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「製造業は人手不足」とよく言われます。ただ、工場の仕事といっても、機械を組み立てる人、機械を直す人、検査をする人と、中身はさまざまです。
ここでは、厚生労働省の「一般職業紹介状況」から、2026年9月の製造の仕事の求人倍率を職種ごとに並べます。感想ではなく、公表されている数字だけを使います。
製造の仕事全体では1.65倍
| 区分 | 有効求人数 | 有効求職者数 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 職業計(すべての仕事) | 2,039,793 | 1,892,571 | 1.08倍 |
| 生産工程の仕事(製造の仕事全体) | 206,253 | 125,252 | 1.65倍 |
求人倍率は「仕事を探している人1人に対して、求人がいくつあるか」です。1倍を超えると求人のほうが多く、1倍を下回ると仕事を探す人のほうが多いことを表します。
製造の仕事全体は1.65倍で、すべての仕事の平均(1.08倍)より高くなっています。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」参考統計表(職業別・常用・パートを含む)
ニュースで見る「1.19倍」と違う理由
2026年9月の有効求人倍率は、ニュースでは 1.19倍 と発表されています。この記事の「1.08倍」と違うのは、数字の作り方が違うためです。
- ニュースの1.19倍は、季節による増減をならした数字(季節調整値)です
- この記事の職種別の数字は、季節調整をしていない、その月の実数です
職種別の数字は季節調整値が公表されていないので、この記事では実数どうしで比べています。
職種ごとに並べると、0.81倍から3.90倍まで
製造の仕事を職種ごとに分けると、差がはっきり出ます。
| 職種 | 有効求人数 | 有効求職者数 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 機械整備・修理 | 37,534 | 9,634 | 3.90倍 |
| 製品の製造・加工(金属製品) | 41,278 | 18,689 | 2.21倍 |
| 生産設備の制御・監視(金属製品以外) | 7,602 | 3,704 | 2.05倍 |
| 製品検査(金属製品以外) | 5,660 | 3,181 | 1.78倍 |
| 製品の製造・加工(金属製品以外) | 61,938 | 37,234 | 1.66倍 |
| 機械検査 | 3,680 | 2,350 | 1.57倍 |
| 機械組立設備の制御・監視 | 3,002 | 2,259 | 1.33倍 |
| 製品検査(金属製品) | 4,098 | 3,340 | 1.23倍 |
| 生産設備の制御・監視(金属製品) | 4,397 | 4,127 | 1.07倍 |
| 機械組立 | 24,353 | 24,982 | 0.97倍 |
| 生産関連・生産類似作業 | 12,711 | 15,752 | 0.81倍 |
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」参考統計表(職業別・常用・パートを含む)。職種名は厚生労働省の分類名を短くしています。
同じ「製造の仕事」でも、いちばん高い機械整備・修理(3.90倍)と、いちばん低い生産関連・生産類似作業(0.81倍)では、4倍以上の開きがあります。
求人が多いのは「機械を直す」仕事
機械整備・修理は3.90倍 です。仕事を探している人1人に対して、求人が4件近くあります。設備保全や機械のメンテナンスなどの仕事がここに入ります。
金属製品の製造・加工(2.21倍)や、金属製品以外の生産設備の制御・監視(2.05倍)も、2倍以上です。
1倍を下回る仕事もある
一方で、機械組立は0.97倍、生産関連・生産類似作業は0.81倍 です。どちらも、求人より仕事を探している人のほうが多くなっています。
機械組立は、求人数(24,353件)だけを見ると多いほうです。それでも倍率が1倍を下回るのは、同じ仕事を探している人(24,982人)がそれ以上に多いためです。
「製造業は人手不足」という言葉だけで判断すると、職種によっては実態と合わないことがあります。
この数字を読むときの注意
- ハローワークを通した求人と求職だけの数字です。 民間の求人サイトや転職エージェントの求人は入っていません。新卒の求人・求職も含みません
- パートの求人も含みます。 正社員だけの倍率ではありません
- 全国の数字です。 地域によって大きく違います
- 1か月分の数字です。 毎月公表され、月によって動きます
- 倍率が高いことは、給料が高い・働きやすいということを意味しません。求人が多いのは、人が集まりにくい事情があるからかもしれません
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2026年9月、製造の仕事全体の求人倍率(1.65倍)は、すべての仕事の平均(1.08倍)より高い
- 同じ製造の仕事でも、職種によって0.81倍から3.90倍まで差がある
- 機械整備・修理は、求人に対して仕事を探す人が少ない
言えないこと
- 個人が転職しやすいかどうか。経験・資格・年齢・地域で変わります
- 転職して給料が上がるかどうか。この統計は賃金を扱っていません
- 来月以降も同じ差が続くかどうか
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職種を考えるときに
同じ工場で働いていても、組立の仕事と整備の仕事では、求人の状況がまったく違います。いまの仕事がどの職種に当たるか、これまでの経験がどの職種に近いかによって、選べる幅は変わります。
ただし、倍率が高い職種に移れるかどうかは、経験や資格しだいです。数字だけを見て職種を変えるのではなく、自分の経験がどこで評価されるかを確かめてから 考えるほうが確実です。
自分の経験がどの職種で評価されるか、確かめたいときは
自分の経験がどの職種で評価されるかは、求人票を見ているだけでは分かりにくいものです。製造業・メーカーを専門にした転職エージェントの中には、転職するかどうかを決める前の段階でも、無料で面談できるところがあります。
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申し込む前に、面談の内容や条件をリンク先の公式ページで確かめてください。
次のような人には向きません。
- 学生の方(申し込みの対象外です)
- すでにこのサービスを利用したことがある方
- 製造業以外の仕事に移ることを考えている人
- いまの職場で当面続けると決めていて、数字だけ知りたい人(この記事の統計で足ります)
出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)」参考統計表 表7-1(職業別 常用・パートを含む)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年9月分)について」(令和8年10月30日公表)
いずれもハローワークを通した求人・求職の数字です。


