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「建設業は残業が多い」とよく言われます。では、実際には月に何時間くらい残業しているのでしょうか。製造業や運輸業と比べて、本当に多いのでしょうか。
ここでは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」から、2025年の1か月あたりの残業時間(所定外労働時間)を業種ごとに並べます。感想ではなく、公表されている数字だけを使います。
この記事で分かること
- 建設業の残業時間は月平均12.8時間。すべての業種の平均(9.8時間)より長い
- いちばん長いのは運輸業・郵便業の20.6時間。製造業(13.4時間)も建設業より長い
- 建設業は、残業よりも「出勤日数の多さ」で働く時間が長くなっている
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建設業の残業時間は月12.8時間
| 区分 | 残業時間(所定外労働時間) | 働いた時間の合計(総実労働時間) | 出勤日数 |
|---|---|---|---|
| すべての業種(調査産業計) | 9.8時間 | 135.1時間 | 17.4日 |
| 建設業 | 12.8時間 | 159.8時間 | 19.6日 |
| 製造業 | 13.4時間 | 155.5時間 | 18.7日 |
| 運輸業・郵便業 | 20.6時間 | 161.0時間 | 19.1日 |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(事業所規模5人以上・1か月平均)
建設業の残業時間は 月12.8時間 です。すべての業種の平均(9.8時間)より3時間長くなっています。12か月続くと、年に約154時間です。
一方で、製造業は13.4時間、運輸業・郵便業は20.6時間で、どちらも建設業より長くなっています。
「思ったより少ない」と感じる理由
月12.8時間という数字は、現場の実感より少ないと感じる人も多いかもしれません。この数字を読むときは、次の点に注意が必要です。
- 会社(事業所)が報告した時間です。 記録に残っていない残業は入りません
- 全員の平均です。 残業の多い現場と少ない現場、繁忙期と閑散期がすべてならされています
- 従業員5人以上の事業所の数字です。 それより小さい事業所は入っていません
- パートタイムで働く人も含みます。 ただし建設業はパートの割合が5.53%と低く、ほとんどがフルタイムの人の数字です
業種別に並べると、いちばん長いのは運輸業
| 業種 | 残業時間(月) | パートの割合 |
|---|---|---|
| 運輸業・郵便業 | 20.6時間 | 18.76% |
| 電気・ガス業 | 16.3時間 | 3.66% |
| 情報通信業 | 15.8時間 | 4.90% |
| 製造業 | 13.4時間 | 13.00% |
| 建設業 | 12.8時間 | 5.53% |
| 学術研究等 | 12.8時間 | 11.41% |
| 金融業・保険業 | 12.4時間 | 10.57% |
| 不動産・物品賃貸業 | 11.9時間 | 20.42% |
| 鉱業・採石業等 | 11.6時間 | 6.91% |
| 教育・学習支援業 | 10.2時間 | 33.34% |
| その他のサービス業 | 10.1時間 | 29.94% |
| 複合サービス事業 | 7.8時間 | 17.08% |
| 卸売業・小売業 | 7.0時間 | 44.86% |
| 生活関連サービス等 | 6.7時間 | 49.09% |
| 飲食サービス業等 | 5.2時間 | 78.12% |
| 医療・福祉 | 4.9時間 | 32.86% |
| すべての業種(調査産業計) | 9.8時間 | 31.31% |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表・第3表(事業所規模5人以上)。パートの割合は、常用労働者のうちパートタイム労働者の割合です。
建設業は16業種のうち5番目(学術研究等と同じ12.8時間)です。
ただし、この表はパートの割合で見え方が変わります。飲食サービス業(パート78.12%)や卸売業・小売業(44.86%)の残業が短いのは、短時間で働く人が多く、平均が下がるためでもあります。
フルタイムで働く人(一般労働者)だけで見ると、すべての業種の平均は 月13.2時間 です。建設業の12.8時間は、この平均とほぼ同じ水準です。
建設業は、残業より「出勤日数」で長く働いている
建設業の働く時間の合計は月159.8時間で、すべての業種の平均(135.1時間)より約25時間長くなっています。ただ、その内訳を見ると、大部分は残業ではありません。
| 建設業 | 製造業 | すべての業種 | |
|---|---|---|---|
| 決まった勤務時間(所定内労働時間) | 147.0時間 | 142.1時間 | 125.3時間 |
| 残業時間(所定外労働時間) | 12.8時間 | 13.4時間 | 9.8時間 |
| 出勤日数 | 19.6日 | 18.7日 | 17.4日 |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(事業所規模5人以上)
建設業の出勤日数は月19.6日で、16業種の中で鉱業・採石業等(19.8日)に次いで多くなっています。製造業より約1日多く、フルタイムで働く人全体の平均(19.2日)よりも多い日数です。
建設業で働く時間が長いのは、1日の残業が長いからというより、休みが少なく、出勤する日が多い ことが大きいと読めます。
前の年と比べると
| 業種 | 残業時間 | 前の年との比較 |
|---|---|---|
| 建設業 | 12.8時間 | 1.0%増 |
| 製造業 | 13.4時間 | 1.1%増 |
| 運輸業・郵便業 | 20.6時間 | 5.2%減 |
| すべての業種 | 9.8時間 | 2.5%減 |
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(事業所規模5人以上)
2024年4月から、建設業やトラックなどの運転の仕事にも、残業時間の上限規制が適用されています。2025年は、運輸業・郵便業の残業時間が5.2%減りました。一方、建設業は1.0%増えています。
ただし、この表だけでは、増えた・減った理由が規制によるものかどうかは分かりません。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年、建設業の残業時間は月平均12.8時間で、すべての業種の平均(9.8時間)より長い
- 残業時間がいちばん長いのは運輸業・郵便業(20.6時間)で、製造業(13.4時間)も建設業より長い
- 建設業は出勤日数が月19.6日と多く、働く時間の合計が長い
- 2025年の建設業の残業時間は、前の年より1.0%増えた
言えないこと
- 自分の会社や現場の残業が、この平均と同じかどうか。会社・職種・現場・時期で大きく変わります
- 記録されていない残業を含めた、実際の残業時間
- 残業が増えた・減った理由
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働く時間を理由に会社を変えるかどうかを考えるときに
平均で見ると、建設業の残業は「極端に多い」わけではありません。一方で、出勤日数が多く、休みの少なさが働く時間の長さにつながっています。
残業時間や休日の数は、同じ建設業でも会社によって大きく違います。次のような人は、この平均の数字がそのまま当てはまりません。
- いまの残業や休日の数に納得していて、給料とのつり合いも取れていると感じている人
- 残業代が給料の大きな部分を占めていて、残業が減ると手取りが大きく下がる人
- 繁忙期だけ残業が多く、年間で見ると平均に近い人
まず自分の1か月の残業時間と出勤日数を、この平均と比べてから、動くかどうかを考えるほうが確実です。
休みや残業の条件を、ほかの会社と比べてみたいときは
同じ建設業でも、残業時間や休日の数は会社によって大きく違います。ただ、求人票だけでは実際の働き方が分かりにくいこともあります。建設業界を専門にした転職エージェントの中には、転職するかどうかを決める前の段階でも、無料で面談できるところがあります。
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- 業務委託やアルバイトのみを探している人(正社員希望の方向けのサービスです)
- いまの会社の残業や休日の条件に納得していて、数字だけ知りたい人(この記事の統計で足ります)
出典
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(月間実労働時間及び出勤日数)・第3表(常用雇用及び労働異動率)(2026年2月25日公表)
- 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」
労働時間は事業所規模5人以上の1か月平均で、パートタイム労働者を含みます。


