暑い工場や屋外の現場で働いていると、「仕事中の熱中症はどれくらい起きているのか」「2025年に義務になった対策は、会社が何をすることなのか」が気になります。
ここでは、厚生労働省が2026年5月27日に公表した「令和7年 職場における熱中症の発生状況(確定値)」から、業種別の数字と、義務化の中身を並べます。
この記事で分かること
- 2025年に仕事中の熱中症で4日以上休んだ人・亡くなった人は1,803人。統計を取り始めた2005年以降で最多
- 業種別でいちばん多いのは製造業の365人、次が建設業の292人
- 亡くなった人は19人で、前の年(31人)より減った。厚生労働省は、2025年6月に始まった対策の義務化で重くなるのを防ぐ取り組みが進んだと見ている
2025年の業種別:製造業365人、建設業292人
| 業種 | 死傷者 | そのうち死亡 |
|---|---|---|
| 製造業 | 365人 | 2人 |
| 建設業 | 292人 | 5人 |
| 商業 | 237人 | 2人 |
| 運送業 | 220人 | 1人 |
| 警備業 | 199人 | 3人 |
| 清掃・と畜業 | 121人 | 1人 |
| 農業 | 34人 | 2人 |
| 林業 | 9人 | 0人 |
| その他 | 326人 | 3人 |
| 合計 | 1,803人 | 19人 |
出典:厚生労働省「令和7年 職場における熱中症の発生状況(確定値)」(2026年5月27日公表)。死傷者は、熱中症で亡くなった人と4日以上休んだ人の合計です
2025年に仕事中の熱中症で亡くなった人・4日以上休んだ人は1,803人でした。業種別では製造業が365人(約20%)でいちばん多く、建設業が292人(約16%)で続きます。
亡くなった人は建設業が5人で、業種別でいちばん多くなっています。
工場は屋内でも、炉や機械の熱がこもる場所があります。熱中症は屋外の仕事だけのものではないことが、製造業の数字に出ています。
10年間の推移:死傷者は約4倍に
| 年 | 死傷者 | そのうち死亡 |
|---|---|---|
| 2016年 | 462人 | 12人 |
| 2017年 | 544人 | 14人 |
| 2018年 | 1,178人 | 28人 |
| 2019年 | 829人 | 25人 |
| 2020年 | 959人 | 22人 |
| 2021年 | 561人 | 20人 |
| 2022年 | 827人 | 30人 |
| 2023年 | 1,106人 | 31人 |
| 2024年 | 1,257人 | 31人 |
| 2025年 | 1,803人 | 19人 |
出典:厚生労働省「令和7年 職場における熱中症の発生状況(確定値)」
2025年の死傷者1,803人は、前の年より約43%多く、10年前(2016年・462人)の約3.9倍です。厚生労働省は、2025年6〜8月の平均気温が平年より2.36℃高く、統計を取り始めてからいちばん高かったことを、増えた理由の1つに挙げています。
一方で、亡くなった人は31人から19人に減りました(約39%減)。
公共工事の費用を計算するときに使う職種ごとの日額単価が、令和8年度はいくらになったかは設計労務単価 令和8年度はいくら?にまとめています。
製造業・建設業で働く外国人労働者が何人いて、どの在留資格が多いかは外国人労働者は何人?過去最多の257万人にまとめています。
一人親方の労災保険の保険料が日額ごとにいくらで、加入者が何人いるかは一人親方の労災保険はいくら?日額1万円なら年62,050円にまとめています。
電験三種の合格率と、科目ごとの合格率の推移は電験三種の合格率は?令和7年度下期13.1%にまとめています。
建設投資の見通しが政府・民間でいくらあり、どう推移しているかは建設業の将来性は?令和8年度の建設投資は81兆4,700億円にまとめています。
冬のボーナスが業種別にいくらで、何か月分出ているかは冬のボーナスの平均は業種別にいくら?2025年は42万4,889円にまとめています。
建設業の退職金(建退共)が何年でいくらになるかは建退共の退職金はいくら?10年で約90万円・40年で約445万円にまとめています。
どんなときに多い?(時期・時間・年齢)
厚生労働省の資料では、2025年の熱中症について次のことが示されています。
- 時期:死傷者の約72%、亡くなった人の約79%が7月と8月
- 時間:午前中と午後3時前後に多く、亡くなった人は主に午後
- 年齢:死傷者の約52%、亡くなった人の約84%が50歳代以上
- 場所:亡くなった19人のうち15人が屋外、4人が屋内
また、亡くなった人の中には、仕事が終わったあとや家に帰ったあとに具合が悪くなった例が複数あったとされています。
2025年6月から義務になった3つのこと
2025年6月1日から、労働安全衛生規則が改正され、熱中症のおそれがある作業をさせる会社には、次のことが義務になりました(厚生労働省の発表)。
| 会社がしなければならないこと | 中身 |
|---|---|
| 1. 見つける体制 | 熱中症のおそれがある人を見つけたとき、報告する相手や方法を決めておく |
| 2. 重くならないための手順 | 作業から離す、体を冷やす、医療機関に運ぶなどの手順を決めておく |
| 3. 知らせる | 1と2を、作業をする人に知らせる |
出典:厚生労働省「令和7年 職場における熱中症の発生状況(確定値)等について」、労働安全衛生規則の改正(2025年6月1日施行)
対象になるのは、厚生労働省のリーフレットでは、WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の場所で、連続1時間以上か1日4時間を超えて行う作業が見込まれるときです。
亡くなった19人の例では、熱中症予防の教育をしていなかった例が9件、いざというときの手順が確かめられなかった例が3件ありました。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年の仕事中の熱中症の死傷者は1,803人で、統計を取り始めてから最多
- 業種別では製造業(365人)がいちばん多く、建設業(292人)が続く
- 亡くなった人は19人で、前の年より減った
- 7〜8月と50歳代以上に多い
言えないこと
- 自分の職場の危なさ。同じ業種でも、作業場所の暑さや対策で大きく違います
- 働く人の数に対して、どの業種がいちばん多いか。この記事の数字は人数で、率ではありません
- 4日未満の休みで済んだ人や、休まなかった人の数。この統計には入っていません
暑い職場で働き続けるか考えるときに
熱中症は、製造業でも建設業でも毎年多くの人が被災しています。ただし、次のような人は、この数字だけで仕事を変えるかどうかを決めないほうが確実です。
- 今の職場で、具合が悪くなったときに誰に報告するか・どうするかの手順を、まだ知らない人(2025年6月から、会社が決めて知らせる義務があります)
- 暑さ対策(スポットクーラー・休憩所・水分や塩分の補給・作業時間の調整など)について、上司にまだ相談していない人
- 屋内の工場なら暑くないと考えている人(製造業の死傷者は業種別で最多です)
まず今の職場の報告の手順と暑さ対策を確かめ、相談しても変わらないかを見てから、ほかの職場と比べるほうが確実です。体調に不安があるときは、仕事より先に医療機関に相談してください。
出典
- 厚生労働省「令和7年 職場における熱中症の発生状況(確定値)等について」(2026年5月27日)
- 厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」
- 厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(労働安全衛生規則の改正、2025年6月1日施行)


