建退共の退職金はいくら?10年で約90万円・40年で約445万円、掛金日額320円と2026年10月からの利回り1.5%【機構の試算】

建退共の退職金、何年でいくら?40年納めると約445万円(日額320円の場合) 建設業

建設の現場で働いていると、手帳に貼られる「建退共(けんたいきょう)」の証紙を見ることがあります。これは建設業退職金共済という国の退職金の仕組みで、建設業界で働くことをやめたときに退職金が支払われます。ただ、「何年分たまると、いくらになるのか」は分かりにくいものです。

ここでは、制度を運営する勤労者退職金共済機構(建退共)が公開している「退職金試算」に日数を入れて計算した金額と、機構・厚生労働省の資料から、掛金の額、受け取れる条件、加入している人の数を並べます。

この記事で分かること

  • 掛金日額320円で納め続けた場合の退職金の概算は、10年で903,168円、20年で1,978,032円、40年で4,449,648円(2026年11月に請求する場合)
  • 2026年10月1日から予定運用利回りが1.3%→1.5%に上がり、40年の概算は4,268,007円から約18万円増えた
  • 納めた月数が12か月以上24か月未満だと、退職金は納めた掛金の3〜5割程度にとどまる

建退共の退職金は何年でいくら?40年で約445万円

機構の「退職金試算」に、すべての期間を掛金日額320円で納めた日数(21日分を1か月として計算されます)を入れて計算した結果です。

納めた期間納めた日数(日額320円)退職金の概算(2026年11月に請求)参考:2026年9月までに請求した場合
5年(60か月)1,260日415,296円―
10年(120か月)2,520日903,168円893,559円
20年(240か月)5,040日1,978,032円―
30年(360か月)7,560日3,148,656円―
40年(480か月)10,080日4,449,648円4,268,007円

出典:勤労者退職金共済機構「退職金試算」(通常退職・移動通算なし・請求事由発生日 令和8年11月1日/参考は令和8年9月30日で計算。2026年10月14日に2回計算して同じ額を確認)。実際の額は、納めた日数と掛金日額で変わります

10年納めると約90万円、40年納めると約445万円です。期間が長いほど、1年あたりに増える額も大きくなります(10年→20年で約107万円、30年→40年で約130万円増えます)。

2026年10月1日から、建退共の予定運用利回りが1.3%から1.5%に引き上げられました。同じ40年分でも、9月までに請求した場合(4,268,007円)より、181,641円多くなります。

掛金は日額320円、会社が働いた日数に応じて納める

  • 掛金は日額320円(2021年=令和3年10月1日から。それまでは310円)
  • 掛金は事業主(会社)が、働いた日数に応じて納め、その掛金をもとに建退共が働く人に直接、退職金を支払う
  • 制度に入っている会社どうしなら、会社が変わっても納めた分は通算される
  • 掛金日額が320円になる前から納めている人の退職金は、それぞれの掛金日額に応じて計算される(上の表とは少しずれます)

出典:勤労者退職金共済機構「建退共の退職金について」、同機構の資料(国土交通省ホームページ掲載)

受け取れるのは建設業界で働くことをやめたとき

退職金は、建設業界の中で働くことをやめたときに請求します。同じ業界の別の会社に移っただけでは請求できず、納めた分はそのまま通算されます。

注意したいのは、納めた月数が短い場合です。機構の説明では、掛金を納めた月数が12か月以上24か月未満の場合、退職金の額は納めた掛金の3〜5割程度になります。働く人が亡くなったときは、遺族が請求でき、事業主が納めた掛金に相当する額になります。

加入している人は約212万人

厚生労働省の資料では、建退共に加入している従業員は、令和5年度末で約212万人、加入している事業所は約17万所です。令和5年度に支払われた退職金は、合計で約593億円でした。

出典:厚生労働省「建設業退職金共済事業 財政検証」資料(令和7年1月)

この数字から言えること・言えないこと

言えること:すべての期間を日額320円で納めた場合、建退共の退職金の概算は10年で約90万円、40年で約445万円。2026年10月からの利回りの引き上げで、同じ期間でも額が少し増えた。

言えないこと:一人ひとりが実際に受け取る額。手帳に貼られた証紙の日数(会社が実際に納めた日数)や、過去の掛金日額、請求する時期で変わります。また、会社が独自に用意している退職金は、この表には入っていません。

よくある質問

Q. 建退共は10年でいくらもらえる?

すべての期間を掛金日額320円で10年(2,520日)納めた場合、機構の「退職金試算」での概算は903,168円です(2026年11月に請求する場合)。5年(1,260日)なら415,296円、20年(5,040日)なら1,978,032円です。実際の額は、手帳に貼られた証紙の日数(会社が実際に納めた日数)と過去の掛金日額で変わります。

Q. 1年や3年など、短い期間だといくらになる?

この記事の表は5年からで、1年・3年の額は計算していません。機構の説明では、掛金を納めた月数が12か月以上24か月未満の場合、退職金は納めた掛金の3〜5割程度にとどまります。短い期間の額は、機構の「退職金試算」に自分の日数を入れて確かめてください。

Q. 40年でいくらもらえる?

すべての期間を日額320円で40年(10,080日)納めた場合の概算は4,449,648円(2026年11月に請求する場合)です。2026年10月1日から予定運用利回りが1.3%から1.5%に上がったため、9月までに請求した場合の4,268,007円より181,641円多くなっています。

建退共の退職金を考えるときに

建退共は、会社が変わっても積み上がる退職金です。ただし、次のような人は、この表の金額をそのまま当てにしないほうが確実です。

  • 手帳の証紙が何日分貼られているかを、まだ確かめていない人(会社が納めた日数で額が決まります)
  • 掛金日額が320円になる前(2021年9月まで)から納めている人(それぞれの日額で計算されるため、表より少なくなることがあります)
  • 納めた月数が2年に届いていない人(12か月以上24か月未満は、納めた掛金の3〜5割程度です)
  • 会社独自の退職金制度があるかを、まだ確かめていない人(建退共とは別の制度です。就業規則で確かめてください)

まず手帳の証紙の日数を確かめ、機構の「退職金試算」に自分の日数を入れて計算してから、この先の働き方を考えるほうが確実です。機構の退職金試算はこちら(勤労者退職金共済機構のページ)から使えます。手帳や手続きで分からないことは、建退共の各都道府県の支部に確かめてください。

出典

  • 勤労者退職金共済機構「退職金試算」(2026年10月14日に計算)
  • 勤労者退職金共済機構「建退共の退職金について」「予定運用利回りの変更について」(2026年8月7日)
  • 勤労者退職金共済機構の資料(掛金日額320円・令和3年10月から。国土交通省ホームページ掲載)
  • 厚生労働省「建設業退職金共済事業 財政検証」資料(令和7年1月22日)

この記事の数字は、Instagram(@genba.tenshoku)のリールでも短く紹介しています。

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