仕事を辞めて次の仕事を探すとき、ハローワークで職業訓練(ハロートレーニング)をすすめられることがあります。そのとき気になるのが、「訓練を受けた人は、どれくらい就職できているのか」です。
ここでは、厚生労働省が2025年9月30日の会議で示した「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」から、令和6年度の就職率を、訓練の種類ごと・分野ごとに並べます。
この記事で分かること
- 令和6年度の就職率は、公共職業訓練(離職者訓練)の施設内訓練が85.7%、委託訓練が72.4%
- 求職者支援訓練は、基礎コース60.9%、実践コース61.7%
- 分野別では、金属・電気・建設関連が85〜88%台と高く、IT・デザインは6〜7割
訓練の種類別の就職率(令和6年度)
| 訓練の種類 | 受講者数 | 就職率 |
|---|---|---|
| 公共職業訓練(離職者訓練)施設内訓練 | 29,353人 | 85.7% |
| 公共職業訓練(離職者訓練)委託訓練 | 60,439人 | 72.4% |
| 求職者支援訓練 基礎コース | 6,129人 | 60.9% |
| 求職者支援訓練 実践コース | 32,816人 | 61.7% |
出典:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」(令和7年度第1回中央職業能力開発促進協議会 資料2-3、2025年9月30日)。令和6年度の実績(速報値)。受講者数は、前の年度から続けて受けている人と、その年度に始まったコースに入った人の合計
公的な職業訓練には、大きく分けて次の2つがあります。
- 公共職業訓練(離職者訓練):主に雇用保険を受けている人向け。国や都道府県の施設で行う「施設内訓練」と、民間の学校などに任せて行う「委託訓練」がある
- 求職者支援訓練:主に雇用保険を受けられない人向け。基礎的な力をつける「基礎コース」と、特定の仕事の力をつける「実践コース」がある
令和6年度の就職率は、施設内訓練が85.7%でいちばん高く、委託訓練が72.4%、求職者支援訓練は基礎・実践とも約6割でした。
受講者の数では、委託訓練が60,439人でいちばん多く、公共職業訓練(離職者訓練)の受講者89,792人の約3分の2を占めています。
公共職業訓練(離職者訓練)の分野別:金属関連88.2%
| 分野 | 受講者数 | 就職率 |
|---|---|---|
| 金属関連 | 6,384人 | 88.2% |
| 電気関連 | 6,887人 | 86.2% |
| 建設関連 | 5,438人 | 85.3% |
| 介護・医療・福祉 | 9,825人 | 83.4% |
| 医療事務 | 4,458人 | 77.8% |
| 営業・販売・事務 | 31,090人 | 70.3% |
| IT | 6,282人 | 70.0% |
| デザイン | 7,224人 | 68.9% |
出典:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」令和6年度。主な分野を抜き出し、就職率の高い順に並べ替えています
公共職業訓練の分野別では、金属関連(88.2%)・電気関連(86.2%)・建設関連(85.3%)など、ものづくりや現場の仕事につながる分野の就職率が高くなっています。
一方、受講者がいちばん多い営業・販売・事務は70.3%、入力候補にも多いIT(70.0%)・デザイン(68.9%)は7割前後でした。
求職者支援訓練(実践コース)の分野別:介護福祉70.9%
| 分野 | 受講者数 | 就職率 |
|---|---|---|
| 介護福祉 | 2,853人 | 70.9% |
| 医療事務 | 1,755人 | 70.1% |
| IT | 3,775人 | 62.3% |
| 営業・販売・事務 | 10,854人 | 60.6% |
| デザイン | 9,357人 | 57.3% |
| 実践コース全体 | 32,816人 | 61.7% |
出典:厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」令和6年度。主な分野を抜き出しています
求職者支援訓練の実践コースでは、介護福祉(70.9%)・医療事務(70.1%)が高く、デザインは57.3%でした。デザインは受講者が9,357人と多い分野ですが、就職率は実践コース全体(61.7%)より低くなっています。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 令和6年度の就職率は、公共職業訓練の施設内訓練が85.7%、委託訓練が72.4%、求職者支援訓練が約6割
- 金属・電気・建設関連など、ものづくりや現場の分野は就職率が85%を超える
- デザインは、公共職業訓練でも求職者支援訓練でも、ほかの分野より就職率が低め
言えないこと
- 正社員になれた人の割合。この記事の就職率は、正社員かどうかを分けていません
- 訓練で学んだ分野の仕事に就いた人の割合
- 就職したあとの給料や、長く働き続けられたかどうか
- 自分が受けたときに就職できるかどうか。地域やコース、受ける人の年齢や経験で違います
よくある質問
Q. 職業訓練の就職率は何%ですか?
厚生労働省の資料では、令和6年度の就職率は、公共職業訓練(離職者訓練)の施設内訓練が85.7%、委託訓練が72.4%、求職者支援訓練は基礎コースが60.9%、実践コースが61.7%でした(速報値)。正社員になれた人の割合は、この資料では分かれていません。
Q. 就職率が高いのは、どの分野の訓練ですか?
公共職業訓練(離職者訓練)の分野別では、金属関連が88.2%、電気関連が86.2%、建設関連が85.3%と高く、IT(70.0%)やデザイン(68.9%)は7割前後でした。自分が受けたときの結果は、地域やコース、年齢や経験で違います。
Q. 職業訓練の合格率(選考の倍率)は分かりますか?
この記事で使っている国の資料には、就職率と受講者数だけが載っていて、受講するときの選考の合格率や倍率は載っていません。選考があるか・どれくらいの人が申し込んでいるかは、コースごとにハローワークで確かめてください。
職業訓練を受けるか考えるときに
公的な職業訓練は、分野によっては就職率が8割を超えています。ただし、次のような人は、この数字だけで受けるかどうかを決めないほうが確実です。
- 住んでいる地域に、受けたい分野のコースがあるかを、まだハローワークで確かめていない人(コースは地域ごとに違います)
- 就職率が高い分野なら、自分も就職できると考えている人(平均の数字で、一人ひとりの結果は分かりません)
- 訓練を受けている間の生活費(雇用保険の基本手当や、求職者支援訓練の給付金の条件)を、まだ確かめていない人
まずハローワークで、地域のコースと、訓練中に受けられるお金の条件を確かめてから、訓練を受けるか、すぐに仕事を探すかを比べるほうが確実です。
出典
- 厚生労働省「ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況(詳細版)」(令和7年度第1回中央職業能力開発促進協議会 資料2-3、2025年9月30日)


