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「建設業は休みが取りにくい」とよく言われます。有給休暇は、実際にどのくらい使われているのでしょうか。製造業やほかの業種と比べて、本当に取りにくいのでしょうか。
ここでは、厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」から、有給休暇(年次有給休暇)の取得率と取得日数を業種ごとに並べます。感想ではなく、公表されている数字だけを使います。
この記事で分かること
- 建設業の有給休暇の取得率は60.7%。すべての業種の平均(66.9%)より6.2ポイント低い
- 製造業は72.8%で、建設業より12.1ポイント高い。取得日数では年に2.6日の差
- 建設業では、1年に与えられた有給休暇のうち、平均で約7日分が使われていない
建設業の有給取得率は60.7%
| 区分 | 与えられた日数(付与日数) | 使った日数(取得日数) | 取得率 |
|---|---|---|---|
| すべての業種(調査計) | 18.1日 | 12.1日 | 66.9% |
| 建設業 | 18.3日 | 11.1日 | 60.7% |
| 製造業 | 18.8日 | 13.7日 | 72.8% |
| 運輸業・郵便業 | 17.4日 | 11.4日 | 65.3% |
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第5表(労働者1人平均)
建設業では、1年に平均18.3日の有給休暇が与えられ、そのうち 11.1日 が使われています。取得率は 60.7% で、すべての業種の平均(66.9%)より6.2ポイント低くなっています。
与えられた日数はすべての業種の平均(18.1日)とほぼ同じです。違いが出ているのは、実際に使った日数 のほうです。
使われずに残っているのは約7日
与えられた日数から使った日数を引くと、使われなかった日数が分かります。
| 区分 | 使われなかった日数(1年) |
|---|---|
| すべての業種(調査計) | 6.0日 |
| 建設業 | 7.2日 |
| 製造業 | 5.1日 |
| 運輸業・郵便業 | 6.0日 |
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第5表から計算しました(付与日数-取得日数)。
建設業では、1年に平均7.2日分の有給休暇が使われていません。製造業(5.1日)より約2日多く残っています。
製造業とは12.1ポイントの差
同じ「現場の仕事」でも、製造業の取得率は 72.8% で、建設業(60.7%)より12.1ポイント高くなっています。使った日数では、製造業13.7日に対して建設業11.1日で、年に2.6日の差 があります。
工場は稼働日や交代のシフトが決まっていて、休みの計画を立てやすいことが考えられます。ただし、統計そのものは理由を示していません。
ほかの業種と並べると
| 業種 | 取得日数 | 取得率 |
|---|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 14.7日 | 75.2%(いちばん高い) |
| 製造業 | 13.7日 | 72.8% |
| 医療・福祉 | 12.1日 | 68.4% |
| 情報通信業 | 12.7日 | 66.9% |
| 運輸業・郵便業 | 11.4日 | 65.3% |
| 建設業 | 11.1日 | 60.7% |
| 卸売業・小売業 | 10.5日 | 59.9% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 8.0日 | 50.7%(いちばん低い) |
| すべての業種(調査計) | 12.1日 | 66.9% |
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第5表。主な業種を抜き出しています。
建設業の60.7%は、いちばん低い宿泊業・飲食サービス業(50.7%)よりは高いものの、すべての業種の平均を下回っています。
会社の規模でも差がある
| 会社の規模(常用労働者数) | 取得日数 | 取得率 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 12.8日 | 69.0% |
| 300〜999人 | 12.3日 | 66.8% |
| 100〜299人 | 11.7日 | 65.5% |
| 30〜99人 | 11.3日 | 64.9% |
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」第5表(すべての業種)
会社の規模が大きいほど、取得率は高くなっています。ただし、この表はすべての業種をまとめた数字で、建設業だけの規模別の数字ではありません。
全体では過去最高。建設業は出勤日数も多い
すべての業種の取得率66.9%は、前の年の調査(65.3%)から上がり、昭和59年以降で最も高い水準です。
一方、建設業は、有給休暇の取得率が平均より低いだけでなく、1か月の出勤日数も19.6日と多い業種です(→ 建設業の平均残業時間はどれくらい?)。休みの少なさは、残業よりも「出勤する日の多さ」と「有給休暇を使える日の少なさ」に表れていると読めます。
この数字を読むときの注意
- 2024年(または2023会計年度)の1年間の数字です。 調査は2025年1月1日時点で行われています
- 常用労働者30人以上の民間企業の数字です。 それより小さい会社は入っていません
- 与えられた日数に、前の年からの繰り越しは入っていません
- 全員の平均です。 同じ建設業でも、会社・職種・現場で大きく違います
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 建設業の有給休暇の取得率は60.7%で、すべての業種の平均(66.9%)より低い
- 製造業(72.8%)とは12.1ポイント、使った日数で年2.6日の差がある
- 建設業では、1年に与えられた有給休暇のうち平均7.2日が使われていない
- すべての業種で見ると、会社の規模が大きいほど取得率が高い
言えないこと
- 自分の会社で有給休暇が取りやすいかどうか。会社・現場・時期で大きく変わります
- 建設業の取得率が低い理由。この表は理由を示していません
- 建設業だけで見たときの、会社の規模による違い
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休みの取りやすさを理由に会社を変えるかどうかを考えるときに
平均で見ると、建設業は有給休暇が使われにくい業種です。ただし、同じ建設業でも、会社によって休みの取りやすさは大きく違います。次のような人は、この平均の数字がそのまま当てはまりません。
- いまの会社で有給休暇を十分に使えていて、休みに不満がない人
- 休みより給料を優先したいと考えていて、今の条件に納得している人
- 繁忙期と閑散期がはっきりしていて、閑散期にまとめて休めている人
まず自分が去年使った有給休暇の日数を、この平均(建設業11.1日)と比べてから、動くかどうかを考えるほうが確実です。
休みの取りやすさを、ほかの会社と比べてみたいときは
同じ建設業でも、有給休暇の取りやすさや休日の数は会社によって大きく違います。ただ、求人票だけでは実際の休みの取りやすさが分かりにくいこともあります。建設業界を専門にした転職エージェントの中には、転職するかどうかを決める前の段階でも、無料で面談できるところがあります。
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次のような人には向きません。
- 60歳以上の方(申し込みの対象外です)
- 施工管理の経験や資格がない人(施工管理の経験者・資格保有者を主な対象にしたサービスです)
- 業務委託やアルバイトのみを探している人(正社員希望の方向けのサービスです)
- いまの会社の休みの取りやすさに納得していて、数字だけ知りたい人(この記事の統計で足ります)
出典
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査 結果の概況」第5表(労働者1人平均年次有給休暇の取得状況)
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第2表(出勤日数)
有給休暇の数字は、常用労働者30人以上の民間企業について、2024年(または2023会計年度)1年間の労働者1人平均です。付与日数には前の年からの繰り越しを含みません。


