建設業で働いていると、「最近、工事の受注は増えているのか」「公共工事と民間工事、どちらが伸びているのか」が気になります。
ここでは、国土交通省の「建設工事受注動態統計調査報告」から、2025年度(令和7年度)1年間と、最新の2026年8月分の受注高を並べます。この調査は、建設業の許可を持つ約48万業者の中から約1万2千業者を選んで、毎月の受注額を調べているものです。
この記事で分かること
- 2025年度に建設業者が元請として受注した工事は87兆3,854億円。前の年度より6.6%増えた
- 元請の受注は、公共機関から24兆5,509億円、民間等から62兆8,345億円。民間等が約7割
- 最新の2026年8月は、元請の受注高が前年同月より3.3%増え、5か月ぶりに増えた(4月〜7月は前の年より少なかった)
2025年度の受注高:元請は6.6%増、下請は13.0%減
| 区分 | 2025年度(令和7年度) | 前の年度から |
|---|---|---|
| 受注高の合計 | 126兆2,530億円 | 0.3%減 |
| 元請受注高 | 87兆3,854億円 | 6.6%増 |
| 公共機関から | 24兆5,509億円 | 増加 |
| 民間等から | 62兆8,345億円 | 6.9%増 |
| 下請受注高 | 38兆8,676億円 | 13.0%減 |
出典:国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和7年度計分)」(2026年5月13日公表、6月12日に一部資料を差し替え)。表Ⅰ-1の百万円単位の値を、この記事で億円に直しています(1億円未満は四捨五入。受注高の合計は発表資料の表記)
2025年度に建設業者が受注した工事の合計は126兆2,530億円で、前の年度とほぼ同じ(0.3%減)でした。
ただし、中身を分けると動きが違います。
- 元請受注高(発注者から直接受けた工事)は87兆3,854億円で6.6%増
- 下請受注高(元請の会社などから受けた工事)は38兆8,676億円で13.0%減
合計がほぼ横ばいなのは、元請が増えた分を、下請の減少が打ち消したためです。
公共と民間:元請の約7割は民間等から
元請受注高87兆3,854億円のうち、
- 公共機関(国・自治体など)から:24兆5,509億円
- 民間等(会社・個人など)から:62兆8,345億円
で、民間等が約7割を占めています。前の年度と比べると、公共機関からは23兆2,298億円から24兆5,509億円に、民間等からは58兆7,587億円から62兆8,345億円(6.9%増)に、どちらも増えました。
3年度の推移:2024年度に大きく増え、2025年度は横ばい
| 年度 | 受注高の合計 | 元請受注高 | 公共機関から | 民間等から | 下請受注高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度(令和5年度) | 108兆6,210億円 | 71兆5,528億円 | 21兆7,383億円 | 49兆8,145億円 | 37兆682億円 |
| 2024年度(令和6年度) | 126兆6,532億円 | 81兆9,885億円 | 23兆2,298億円 | 58兆7,587億円 | 44兆6,647億円 |
| 2025年度(令和7年度) | 126兆2,530億円 | 87兆3,854億円 | 24兆5,509億円 | 62兆8,345億円 | 38兆8,676億円 |
出典:国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和7年度計分)」表Ⅰ-1(受注高の時系列)。百万円単位の値を、この記事で億円に直しています(1億円未満は四捨五入。2025年度の受注高の合計は発表資料の表記)
受注高の合計は、2023年度の108兆6,210億円から、2024年度に約18兆円増えて126兆6,532億円になり、2025年度はほぼ同じ水準でした。
元請受注高は、2023年度71兆5,528億円 → 2024年度81兆9,885億円 → 2025年度87兆3,854億円と、2年続けて増えています。公共機関から・民間等からのどちらも、2023年度から2025年度まで毎年度増えています。
最新の2026年8月:元請は5か月ぶりに増加
| 区分 | 2026年8月 | 前年同月から |
|---|---|---|
| 受注高の合計 | 9兆9,578億円 | 8.6%増(5か月連続の増加) |
| 元請受注高 | 6兆4,897億円 | 3.3%増(5か月ぶりの増加) |
| 公共機関から | 1兆7,844億円 | 2.2%増(2か月ぶりの増加) |
| 民間等から | 4兆7,053億円 | 3.7%増(6か月ぶりの増加) |
| 下請受注高 | 3兆4,681億円 | 20.2%増(5か月連続の増加) |
出典:国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和8年8月分)」(2026年10月13日公表)
2026年8月は、受注高の合計が前年同月より8.6%増え、元請受注高も3.3%増えて、5か月ぶりに増えました。公共機関から・民間等からのどちらも増え、民間等からの受注は6か月ぶりの増加です。下請受注高は20.2%増えています。
2025年度の1年間では元請が増えました。2026年度に入ってからは、4月から7月まで元請の受注が前の年より少ない月が続きましたが、8月は前の年より多くなりました。1か月の数字は大きな工事の有無で上下しやすいので、この先の動きは、次の月以降の発表も合わせて見る必要があります。
受注高を読むときの注意
国土交通省の資料や調査の仕組みから、この数字を読むときは次の点に注意が必要です。
| 注意すること | 理由 |
|---|---|
| 合計は「重なり」を含む | 元請が受けた工事の一部を下請が受けると、同じ工事が元請と下請の両方で数えられます。工事の量を見るなら、元請受注高のほうが近い数字です |
| 金額は物価も含む | 受注高は金額なので、資材や人件費が上がれば、工事の量が同じでも金額は増えます |
| 全部の業者を数えたものではない | 約48万業者の中から約1万2千業者を選んで調べ、全体を推計した数字です |
| 過去の数字が直ることがある | 2026年6月12日に、過去の公表値の誤りを直して資料が差し替えられています |
出典:国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告」
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年度の元請受注高は87兆3,854億円で、前の年度より6.6%増えた
- 元請の受注は民間等からが約7割。公共機関から・民間等からのどちらも、2023年度から2025年度まで毎年度増えた
- 2025年度は下請受注高が13.0%減り、合計はほぼ横ばいだった
- 2026年度は4月〜7月の元請受注高が前の年より少なく、8月は5か月ぶりに前の年より多かった
言えないこと
- 自分の会社の仕事が増えるか減るか。会社の規模や地域、工事の種類で大きく違います
- 工事の量が増えたかどうか。金額には、資材や人件費が上がった分も入っています
- 給料が上がるかどうか。受注高は会社が受けた工事の金額で、働く人の給料の統計ではありません
- 人手が足りているかどうか。受注の金額からは、現場の人数や忙しさは分かりません
仕事が増えているかで会社を考えるときに
2025年度の元請受注高は増えました。ただし、次のような人は、この数字だけで今の会社に残るか移るかを決めないほうが確実です。
- 自分の会社が、公共工事と民間工事のどちらを多く受けているかを、まだ知らない人(公共と民間で動きが違うことがあります)
- 自分の会社が元請か下請かで、数字の見方を変えていない人(2025年度は元請が増え、下請が減りました)
- 全国の受注が増えれば、自分の給料や休みも良くなると考えている人(受注高は給料や働き方の数字ではありません)
まず自分の会社が受けている工事の種類(公共・民間、元請・下請)と、ここ数年の忙しさや給料の変化を確かめてから、ほかの会社と比べるほうが確実です。
出典
- 国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和7年度計分)」(2026年5月13日公表、2026年6月12日に一部資料を差し替え)
- 国土交通省「建設工事受注動態統計調査報告(令和8年8月分)」(2026年10月13日公表)


