職場での怒鳴り声や嫌がらせに悩んでいる人は、「こういう相談はどれくらいあるのか」「どこに相談すればいいのか」が気になると思います。
ここでは、厚生労働省が2026年7月7日に公表した「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」と、「令和7年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況」から、いじめ・嫌がらせとパワハラの相談件数を並べます。
この記事で分かること
- 2025年度に全国の労働局などに寄せられた総合労働相談は119万8,010件で、18年続けて100万件を超えた
- 働く人と会社のトラブルの相談では、「いじめ・嫌がらせ」が55,614件(1.1%増)で、14年続けていちばん多い
- これとは別に、法律にもとづくパワハラの相談が77,514件あった
相談の全体:119万件をこえる
| 項目 | 2025年度 |
|---|---|
| 総合労働相談 | 1,198,010件 |
| そのうち、民事上の個別労働紛争の相談 | 277,053件 |
出典:厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2026年7月7日公表)
労働局や労働基準監督署などにある「総合労働相談コーナー」には、2025年度に約120万件の相談がありました。そのうち、働く人と会社の間のトラブル(民事上の個別労働紛争)の相談が277,053件です。
相談の内容別:いじめ・嫌がらせがいちばん多い
| 相談の内容 | 2025年度 | 前の年度から |
|---|---|---|
| いじめ・嫌がらせ | 55,614件 | +1.1% |
| 自己都合退職 | 38,386件 | −7.5% |
| 労働条件の引き下げ | 33,368件 | +8.2% |
| 解雇 | 32,651件 | +1.8% |
| 退職勧奨 | 26,022件 | +1.6% |
出典:厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」。民事上の個別労働紛争の相談の内容別(上位5つ)
働く人と会社のトラブルの相談では、「いじめ・嫌がらせ」が55,614件でいちばん多く、14年続けて最多です。次が「自己都合退職」(辞めたいのに辞めさせてもらえない、など)の38,386件でした。
いじめ・嫌がらせの推移:数え方が変わっている
| 年度 | いじめ・嫌がらせの相談 |
|---|---|
| 2021年度(令和3年度) | 86,034件 |
| 2022年度(令和4年度) | 69,932件 |
| 2023年度(令和5年度) | 60,125件 |
| 2024年度(令和6年度) | 54,987件 |
| 2025年度(令和7年度) | 55,614件 |
出典:厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
数字だけを見ると、2021年度の86,034件から減っているように見えます(2019年度は87,570件)。
ただし、厚生労働省は、2022年4月に改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)が全面施行されたことに伴い、それまで「いじめ・嫌がらせ」に入っていた法律上のパワハラの相談は、別に数えるようになったと説明しています。2021年度以前と2022年度以降では、数えている相談の範囲が違うので、「いじめ・嫌がらせが減った」とは言えません。
別に数えているパワハラの相談:77,514件
| 項目 | 2025年度 |
|---|---|
| 労働施策総合推進法にもとづく相談(合計) | 80,969件 |
| そのうちパワーハラスメントの相談 | 77,514件 |
出典:厚生労働省「令和7年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況」
パワハラの相談は、労働局の雇用環境・均等部(室)で受けていて、2025年度は77,514件でした。労働施策総合推進法にもとづく相談の合計は80,969件で、前の年度(72,789件)より約11%増えています。
「いじめ・嫌がらせ」の55,614件と、パワハラの77,514件は、別々に数えた数字です。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年度の働く人と会社のトラブルの相談で、いちばん多いのは「いじめ・嫌がらせ」の55,614件で、14年続けて最多
- これとは別に、法律にもとづくパワハラの相談が77,514件あった
- 2022年度から数え方が変わったので、2021年度以前と件数をそのまま比べることはできない
言えないこと
- どの業種でいじめやパワハラが多いか。この発表には業種別の件数はありません
- 相談された内容が、すべて法律上のパワハラにあたるかどうか。件数は相談の数です
- 自分の職場の状況。相談しなかった人の数は入っていません
建設業・製造業の働く条件は、建設業の離職率、製造業に転職した人の辞めた理由、建設業の平均残業時間にまとめています。
職場のいじめやパワハラで仕事を変えるか考えるときに
いじめ・嫌がらせやパワハラの相談は、毎年たくさん寄せられています。ただし、次のような人は、この数字だけで仕事を辞めるかどうかを決めないほうが確実です。
- 何があったか(日時・場所・言われたこと・見ていた人)を、まだ記録していない人
- 会社の相談窓口や、労働局の総合労働相談コーナーに、まだ相談していない人(会社にはパワハラの相談に応じる体制をつくる義務があります)
- 体や心の調子を崩しているのに、まだ医療機関にかかっていない人
まず記録を残し、会社の窓口や労働局の総合労働相談コーナーに相談してから、ほかの職場と比べるほうが確実です。つらいときは、仕事のことより先に、医療機関や相談窓口に相談してください。
出典
- 厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2026年7月7日)
- 厚生労働省「令和7年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況について」


