失業保険(雇用保険の基本手当)をもらっている間に次の仕事が決まると、「再就職手当はいくらもらえるのか」「自分は条件に当てはまるのか」が気になります。
ここでは、厚生労働省・ハローワークのリーフレット(2026年8月1日からの額)から、再就職手当の条件と計算のしかた、上限額、2025年4月に見直された就業促進定着手当をまとめます。
この記事で分かること
- 再就職手当は、基本手当の残り日数(支給残日数)が3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%を、基本手当日額に掛けた額
- 計算に使う基本手当日額には上限があり、2026年8月1日からは離職時60歳未満で6,745円、60歳以上65歳未満で5,454円
- 再就職後の給料が前より下がったときの就業促進定着手当は、2025年4月1日以降に再就職した人から、上限が支給残日数の20%に変わった
再就職手当の計算:支給残日数の60%か70%
| 支給残日数(基本手当の残りの日数) | 再就職手当の額 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 支給残日数 × 基本手当日額 × 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 支給残日数 × 基本手当日額 × 60% |
| 3分の1より少ない | 支給されない |
出典:厚生労働省・ハローワーク 再就職手当のリーフレット(2026年8月1日からの額)
「所定給付日数」は、基本手当をもらえる日数の合計(90日・120日など)です。「支給残日数」は、就職した日の前の日までの失業の認定を受けたあとに残っている日数です。
早く就職して残りの日数が多いほど、率も日数も大きくなり、手当は多くなります。
計算に使う基本手当日額の上限:60歳未満は6,745円
| 離職したときの年齢 | 上限額(2026年8月1日から) |
|---|---|
| 60歳未満 | 6,745円 |
| 60歳以上65歳未満 | 5,454円 |
出典:厚生労働省・ハローワーク 再就職手当のリーフレット(令和9年7月31日までの額)
再就職手当の計算に使う基本手当日額には、上の上限があります。自分の基本手当日額が上限より高くても、計算には上限額を使います。上限額は毎年8月1日に見直され、この額は2027年7月31日までのものです。
計算の例:所定給付日数90日の人
所定給付日数が90日の人なら、3分の2は60日、3分の1は30日です。基本手当日額が5,000円の人(上限より低い)で計算すると、次のようになります。
| 就職したときの支給残日数 | 率 | 再就職手当 |
|---|---|---|
| 70日(3分の2以上) | 70% | 70日 × 5,000円 × 70% = 245,000円 |
| 40日(3分の1以上) | 60% | 40日 × 5,000円 × 60% = 120,000円 |
| 20日(3分の1より少ない) | ― | 支給されない |
※上の表の金額は、しくみを説明するための計算例です。実際の額は、ハローワークで確かめてください
再就職手当をもらうための8つの条件
ハローワークの案内では、次の条件をすべて満たすことが必要とされています。
- 1. 受給の手続きのあと、7日間の待期期間が終わってから就職、または事業を始めたこと
- 2. 就職した日の前の日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 3. 離職した前の会社に、もう一度就職したものではないこと
- 4. 給付制限がある人は、待期期間が終わってから1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で就職したこと
- 5. 1年をこえて勤務することが確実であること
- 6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 7. 過去3年以内の就職で、再就職手当または常用就職支度手当をもらっていないこと
- 8. 受給資格が決まる前から採用が内定していた会社に雇われたものではないこと
出典:厚生労働省・ハローワーク 再就職手当のリーフレット
申請書は、就職した日の次の日から1か月以内に、ハローワークに出す必要があります。
就業促進定着手当:2025年4月から上限が20%に
再就職手当をもらった人が、同じ会社で6か月以上続けて働き、再就職後の給料が離職前より下がった場合には、「就業促進定着手当」をもらえることがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| もらえる額 | (離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6か月間の賃金の支払いの基礎になった日数 |
| 上限(2025年4月1日以降に再就職した人) | 基本手当日額 × 支給残日数 × 20% |
| 上限(2025年3月31日以前に再就職した人) | 再就職手当の率が70%なら30%、60%なら40% |
| 申請の期間 | 再就職した日から6か月たった日の次の日から2か月の間 |
出典:厚生労働省・ハローワーク「再就職手当を受給した皆さまへ」(2026年8月1日からの額)
2025年4月1日以降に再就職した人は、上限が支給残日数の20%にそろえられ、それより前の40%・30%から下がりました。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 再就職手当は、支給残日数が3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%
- 計算に使う基本手当日額の上限は、2026年8月1日から60歳未満で6,745円
- 就業促進定着手当の上限は、2025年4月1日以降の再就職から支給残日数の20%
言えないこと
- 自分がいくらもらえるか。基本手当日額・所定給付日数・支給残日数は人によって違い、ハローワークで決まります
- 自分が条件に当てはまるか。とくに給付制限や内定の時期は、ハローワークで確かめる必要があります
- 早く就職したほうが得かどうか。手当の額だけでなく、次の仕事の給料や条件で変わります
再就職手当を当てにして動くときに
再就職手当は、早く次の仕事が決まるほど多くなります。ただし、次のような人は、手当の額だけで就職先や時期を決めないほうが確実です。
- 自分の所定給付日数と基本手当日額を、雇用保険受給資格者証でまだ確かめていない人(計算のもとになります)
- 前の会社や、受給の手続きの前から内定していた会社に就職しようとしている人(条件に当てはまらず、もらえません)
- 給付制限がある期間中に、自分で見つけた会社に就職しようとしている人(待期のあと1か月の間は、ハローワークなどの紹介が条件です)
まずハローワークで、自分の支給残日数と条件に当てはまるかを確かめてから、就職先と時期を決めるほうが確実です。
出典
- 厚生労働省・ハローワーク 再就職手当のリーフレット(2026年8月1日からの額。令和9年7月31日までの額)
- 厚生労働省・ハローワーク「再就職手当を受給した皆さまへ」(就業促進定着手当の案内。2026年8月1日からの額)


