労基署の監督で違反が見つかる割合は?建設業64.3%・製造業72.9%、長時間労働の監督では78.5%【2026年9月公表】

労基署の監督 違反の割合は? 建設業

残業や休日出勤が続くと、「今の働き方は法律に違反していないのか」「労働基準監督署(労基署)が調べに入ると、どれくらい違反が見つかるのか」が気になります。

ここでは、厚生労働省の「令和7年 監督業務実施状況(速報値)」と、2026年9月15日に公表された「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果」から、違反が見つかった割合を並べます。

この記事で分かること

  • 2025年に労基署が行った定期監督等では、建設業の64.3%、製造業の72.9%、全業種の69.3%の事業場で、法律の違反が見つかった
  • 長時間労働が疑われる事業場の監督(2025年度)では、78.5%で違反が見つかり、38.5%で違法な時間外労働があった
  • 違法な時間外労働があった事業場のうち、44.5%では、いちばん長い人の残業・休日労働が月80時間を超えていた

定期監督等で違反が見つかった割合:建設業64.3%

業種監督した事業場違反があった事業場違反率
建設業47,19630,35664.3%
製造業31,63123,07172.9%
全業種145,797101,03869.3%

出典:厚生労働省「令和7年 監督業務実施状況(速報値)」(2025年1〜12月)。定期監督等の結果です

労基署の監督には、あらかじめ計画を立てて入る「定期監督」などと、働く人からの申告(相談)をきっかけに入るものなどがあります。この表は定期監督等の結果です。

2025年に定期監督等を受けた事業場は全業種で145,797、そのうち69.3%で何らかの法律の違反が見つかりました。業種別では、建設業が64.3%、製造業が72.9%です。

建設業は、監督を受けた事業場の数が47,196で、全業種の約3割(32.4%)を占めています。違反率は全業種(69.3%)より低いものの、監督を受けた事業場の3つに2つ近くで違反が見つかっています。

長時間労働が疑われる事業場の監督:78.5%で違反

項目事業場の数割合
監督指導をした事業場29,150―
何らかの法律の違反があった22,88278.5%
違法な時間外労働があった11,22838.5%
賃金不払残業(残業代の不払い)があった1,9016.5%
過重労働による健康障害を防ぐ措置をしていなかった5,91920.3%

出典:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果」(2026年9月15日公表)。2025年4月〜2026年3月の結果です

この監督は、残業・休日労働が月80時間を超えていると考えられる事業場や、長時間労働による過労死等の労災の請求があった事業場などを対象にしたものです。

もともと長時間労働が疑われる事業場を選んで入っているので、違反率は定期監督等より高く、78.5%でした。違法な時間外労働(36協定で決めた時間をこえる残業など)があったのは38.5%です。

違法な残業があった事業場の、いちばん長い人の残業時間

いちばん長い人の残業・休日労働事業場の数割合
月80時間をこえる4,99144.5%
月100時間をこえる2,84225.3%
月150時間をこえる5544.9%
月200時間をこえる1111.0%

出典:厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果」。違法な時間外労働があった11,228事業場の内訳で、上の段は下の段をふくみます

違法な時間外労働があった11,228事業場のうち、44.5%(4,991事業場)では、いちばん長く働いた人の残業・休日労働が月80時間をこえていました。月100時間をこえていた事業場も25.3%あります。

この数字から言えること・言えないこと

言えること

  • 2025年の定期監督等では、建設業の64.3%、製造業の72.9%の事業場で違反が見つかった
  • 長時間労働が疑われる事業場の監督では、78.5%で違反、38.5%で違法な時間外労働があった
  • 違法な時間外労働があった事業場の約4割で、月80時間をこえる人がいた

言えないこと

  • 建設業の会社の64.3%が違反している、ということ。監督は全部の会社に入るものではなく、労基署が選んだ事業場の結果です
  • 自分の会社が違反しているかどうか。違反の中身には、書類の不備から残業時間まで、いろいろなものがふくまれます
  • 違反のあと、どれだけ直されたか。この記事の数字は、監督で見つかった時点のものです

今の働き方が違法か気になったときに

違反が見つかる割合は、建設業でも6割をこえています。ただし、次のような人は、この数字だけで会社を辞めるかどうかを決めないほうが確実です。

  • 自分の会社の36協定で、残業が月何時間・年何時間まで決められているかを、まだ知らない人(違法かどうかは、まずこの上限と比べます)
  • 自分の残業時間や休日出勤の日を、記録していない人(相談するときに、いちばん大事な材料になります)
  • 違反率が高いから、どの会社に移っても同じだと考えている人(監督は選ばれた事業場の結果で、会社ごとに違います)

まず自分の残業時間を記録し、36協定の上限と比べてから、会社や労働基準監督署に相談し、ほかの会社と比べるほうが確実です。体調に不安があるときは、仕事より先に医療機関に相談してください。

出典

  • 厚生労働省「令和7年 監督業務実施状況(速報値)」(労働基準監督年報のページに掲載)
  • 厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します」(2026年9月15日)
タイトルとURLをコピーしました