長い時間働いていると、「週60時間は多いのか」「過労死ラインは何時間なのか」が気になります。
ここでは、厚生労働省が2026年6月5日の過労死等防止対策推進協議会に出した資料などから、週60時間以上働く人の割合と、業種ごとの違い、過労死ラインの目安を並べます。
この記事で分かること
- 週40時間以上働く雇用者のうち、週60時間以上働く人の割合は、2025年に7.7%。少しずつ減っているが、国の目標の5%以下には届いていない
- 業種別(2024年)では、運輸業・郵便業が17.7%でいちばん高く、建設業は8.2%、製造業は4.9%
- 過労死ラインと呼ばれる目安は、発症前1か月に約100時間、または2〜6か月の平均で月80時間を超える時間外労働。週60時間働く週が続くと、この目安に近づく
週60時間以上働く人の割合:2025年は7.7%
| 年 | 週60時間以上の人の割合 |
|---|---|
| 2021年 | 8.8% |
| 2023年 | 8.4% |
| 2024年 | 8.0% |
| 2025年 | 7.7% |
| 国の目標(2028年まで) | 5%以下 |
出典:厚生労働省「第32回 過労死等防止対策推進協議会」資料(2026年6月5日)、厚生労働省 実績評価書(令和8年8月)。もとの統計は総務省「労働力調査」。割合は、週40時間以上働く雇用者のうち、週60時間以上働く人の割合です
この数字は、会社などに雇われて週40時間以上働く人のうち、月末の1週間に60時間以上働いた人がどれくらいいるかを表しています。
2025年は7.7%で、2021年の8.8%から少しずつ下がっています。ただし、国が過労死等の防止のための大綱で決めた目標は「2028年までに5%以下」で、まだ差があります。
週40時間以上働く人のうち、およそ13人に1人が週60時間以上働いている計算です。
業種別:運輸業17.7%、建設業8.2%、製造業4.9%
| 業種 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
|---|---|---|---|
| 運輸業、郵便業 | 19.3% | 18.5% | 17.7% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 16.3% | 16.0% | 15.1% |
| 教育、学習支援業 | 15.2% | 15.9% | 13.9% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 11.0% | 11.7% | 9.3% |
| 建設業 | 10.2% | 8.8% | 8.2% |
| 卸売業、小売業 | 8.6% | 7.9% | 7.9% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 8.9% | 7.8% | 7.9% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 7.7% | 7.7% | 7.8% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 7.9% | 6.1% | 7.7% |
| 金融業、保険業 | 6.2% | 6.1% | 6.3% |
| 情報通信業 | 6.1% | 5.8% | 5.8% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 4.8% | 5.0% | 5.3% |
| 医療、福祉 | 5.2% | 5.2% | 5.0% |
| 製造業 | 6.0% | 5.3% | 4.9% |
出典:厚生労働省 労働政策審議会労働条件分科会「2023年度 年度評価参考資料集」(2025年3月11日)の「週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合(業種別)」。もとの統計は総務省「労働力調査」。2024年の値が載った業種別の表のうち、いちばん新しいものです。2024年の値の高い順に並べ替えています
業種別では、運輸業・郵便業(17.7%)がいちばん高く、トラックなどの運転の仕事が多い業種で長く働く人が多いことが分かります。
建設業は8.2%で、全体(2024年は8.0%)とほぼ同じです。2022年の10.2%から2年で2ポイント下がりました。建設業には2024年4月から残業の上限規制が適用されていて、厚生労働省の資料でも、建設業などは「緩やかな減少傾向」にある一方、「依然他産業に比べて長時間労働者の割合が多い」とされています。
製造業は4.9%で、14業種の中でいちばん低い値です。
過労死ラインの目安:月80時間・100時間
「過労死ライン」は法律の言葉ではありません。一般に、厚生労働省が決めている脳・心臓の病気の労災認定の基準の中の、時間外労働の目安を指して使われています。
| 時間外労働の長さ | 厚生労働省の基準での見方 |
|---|---|
| 発症前1か月に、おおむね100時間を超える | 仕事と発症との関連が強い |
| 発症前2〜6か月の平均で、1か月あたり80時間を超える | 仕事と発症との関連が強い |
| 上の時間に届かないが、近い時間 | 労働時間以外の負担(休日のない連続勤務、勤務と勤務の間の短さ、体に負担の大きい作業など)もあわせて見る |
出典:厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準の改正について」(令和3年9月)
週60時間働くと、法律で決まった週40時間を超える分は週20時間です。これが4週続くと、20時間×4週で約80時間になります。週60時間以上の働き方が何か月も続くと、上の目安に近づくことが分かります。
なお、2021年の改正で、時間が目安に届かなくても、休みのない連続勤務や、勤務と勤務の間が短いことなども合わせて判断することがはっきりしました。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 週40時間以上働く雇用者のうち、週60時間以上働く人は2025年に7.7%で、少しずつ減っている
- 業種別(2024年)では運輸業・郵便業が17.7%でいちばん高く、建設業は8.2%、製造業は4.9%
- 週60時間の週が続くと、時間外労働は月80時間前後になる
言えないこと
- 自分の会社や現場の働く時間。同じ業種でも、会社や時期で大きく違います
- 2025年の業種別の割合。この記事の業種別は2024年の値です
- 労災が認められるかどうか。実際の認定は、時間だけでなく仕事の中身や体の状態も合わせて、労働基準監督署が一人ひとり判断します
建設業の平均の残業時間は建設業の平均残業時間はどれくらい?に、休みの取りやすさは建設業の年間休日と建設業は有給休暇が取りにくい?にまとめています。
自分の働く時間を考えるときに
週60時間以上働く人は減ってきていますが、建設業ではまだ全体と同じくらいの割合です。ただし、次のような人は、この数字だけで働き方や仕事を変えるかどうかを決めないほうが確実です。
- 自分の毎月の時間外労働が何時間か、記録で確かめたことがない人
- 会社の36協定(残業の上限を決めた労使の取り決め)の中身を、まだ知らない人
- 平均と比べて多いか少ないかだけを見ている人(連続勤務や勤務の間の短さも負担になります)
まず自分の毎月の時間外労働を記録で確かめ、会社の36協定と比べてから、ほかの会社と比べるほうが確実です。体調に不安があるときは、仕事より先に医療機関に相談してください。
出典
- 厚生労働省「第32回 過労死等防止対策推進協議会」資料(2026年6月5日)
- 厚生労働省 実績評価書(令和8年8月)
- 厚生労働省 労働政策審議会労働条件分科会「2023年度 年度評価参考資料集」(2025年3月11日)
- 厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準の改正について」(令和3年9月)
- 総務省「労働力調査」


