工場の労災はどんな事故が多い?製造業の死傷者26,371人、はさまれ・巻き込まれ22.7%・転倒21.7%と事故の型の全順位【2026年5月公表】

工場の労災 多い事故は? 製造業

工場で働いていると、「労災でいちばん多いのはどんな事故なのか」「ケガをする人は減っているのか」が気になります。

ここでは、厚生労働省が2026年5月27日に公表した「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」から、製造業で休業4日以上のケガなどをした人(死傷者)の数を、事故の型・年・年齢・月ごとに並べます。

この記事で分かること

  • 2025年(令和7年)の製造業の死傷者は26,371人。全産業(135,333人)の中で、業種別でいちばん多い
  • 事故の型で多いのは、はさまれ・巻き込まれ(22.7%)と転倒(21.7%)。3番目は、重い物を持ったときなどの動作の反動・無理な動作(11.9%)
  • 製造業の死傷者は、この10年、毎年25,000〜28,000人ほどで、はっきり減ってはいない

製造業の事故の型:はさまれ・巻き込まれが1位

順位事故の型死傷者割合
1はさまれ・巻き込まれ5,992人22.7%
2転倒5,732人21.7%
3動作の反動・無理な動作3,144人11.9%
4墜落・転落2,917人11.1%
5切れ・こすれ2,216人8.4%
6飛来・落下1,625人6.2%
7高温・低温の物との接触1,094人4.1%
8激突1,092人4.1%
9激突され1,073人4.1%
―そのほか(崩壊・倒壊、有害物等との接触、交通事故など)1,486人5.6%
製造業の合計26,371人100%

出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表4(業種、事故の型別死傷災害発生状況)。死傷者は、死亡と休業4日以上のケガ・病気の合計です。割合は製造業の合計に対する割合で計算しています

1位のはさまれ・巻き込まれは、機械のローラーやプレス、ベルトコンベヤーなどに手や体をはさまれる事故です。2位の転倒は、床の段差や油・水で滑って転ぶ事故です。この2つで11,724人(44.5%)になり、製造業のケガの4割を超えます。

3位の動作の反動・無理な動作は、重い物を持ち上げたときや、体をひねったときに腰などを痛めるものです。ぶつかったり、はさまれたりしていなくても、労災として数えられています。

5位の切れ・こすれ(刃物や材料の角で切るなど)と、7位の高温・低温の物との接触(溶けた金属や熱い型などでのやけどなど)も、工場ならではの事故です。

10年間の推移:死傷者は25,000〜28,000人ほど

年製造業の死傷者
2016年(平成28年)26,454人
2017年(平成29年)26,674人
2018年(平成30年)27,842人
2019年(令和元年)26,873人
2020年(令和2年)25,330人
2021年(令和3年)26,424人
2022年(令和4年)26,694人
2023年(令和5年)27,194人
2024年(令和6年)26,676人
2025年(令和7年)26,371人

出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表2(業種別死傷災害発生状況)。新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害を除いた数字です

2025年の製造業の死傷者は26,371人で、前の年より305人(1.1%)少なくなりました。

ただし、10年前(2016年・26,454人)とほとんど変わらず、この10年でいちばん少なかった2020年(25,330人)と、いちばん多かった2018年(27,842人)の差も2,500人ほどです。工場でケガをする人は、毎年ほぼ同じくらい出ている、というのが数字の形です。

年齢別:50歳以上が約半分

年齢死傷者
29歳以下4,229人(16.0%)
30〜39歳3,925人
40〜49歳4,975人
50〜59歳6,797人
60歳以上6,445人(24.4%)
合計26,371人

出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表7(業種、被災者年齢別死傷災害発生状況)の製造業を、10歳ごとにまとめて計算しています

製造業の死傷者のうち、50歳以上は13,242人(50.2%)で、約半分です。60歳以上も約4人に1人(24.4%)でした。

ただし、これは人数です。工場で働く人の年齢の分け方(50歳以上の人がどれくらい働いているか)によっても数は変わるので、「年を取るほどケガをしやすい」とまでは、この表だけでは言えません。

月別では、7月が2,596人でいちばん多く、11月の1,933人がいちばん少ない月でした(同じ資料の別表6)。

この数字から言えること・言えないこと

言えること

  • 2025年の製造業の死傷者は26,371人で、業種別でいちばん多い
  • 事故の型は、はさまれ・巻き込まれと転倒で4割を超え、3番目は動作の反動・無理な動作
  • 製造業の死傷者は、この10年ほぼ横ばいで、はっきり減ってはいない
  • 死傷者の約半分は50歳以上

言えないこと

  • 自分の工場の危なさ。同じ製造業でも、扱う機械・材料や会社の安全対策で大きく違います
  • 食料品・金属製品など、製造業の中の業種ごとの違い。この記事では、読める形で2回確かめられた数字がなかったため、業種の内訳は載せていません
  • 働く人の数に対して、どの事故がどれだけ起きやすいか。この記事の数字は人数で、率ではありません

よくある質問

Q. 工場の労災でいちばん多い事故は?

2025年(令和7年)の製造業では、はさまれ・巻き込まれ(5,992人・22.7%)がいちばん多く、次が転倒(5,732人・21.7%)でした。この2つで11,724人(44.5%)になり、製造業の死傷者の4割を超えます。3番目は、重い物を持ったときなどの動作の反動・無理な動作(3,144人・11.9%)です(厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表4)。

Q. 製造業の労災は減っている?

2025年の製造業の死傷者は26,371人で、前の年より305人(1.1%)少なくなりました。ただし、この10年は少ない年で25,330人(2020年)、多い年で27,842人(2018年)と、毎年25,000〜28,000人ほどでほぼ横ばいです。はっきり減っているとは言えません。

Q. 工場の労災は何歳・何月に多い?

人数では、50歳以上が13,242人(50.2%)で約半分、60歳以上も6,445人(24.4%)でした。月別では7月が2,596人でいちばん多く、11月の1,933人がいちばん少ない月です。どちらも人数で、働く人の数に対する割合(率)ではないので、「年を取るほどケガをしやすい」「7月がいちばん危ない」とまでは、この数字だけでは言えません。

今の工場の安全が気になるときに

工場のケガは、この10年、毎年2万6,000人前後で続いています。ただし、次のような人は、この数字だけで仕事を変えるかどうかを決めないほうが確実です。

  • 自分が使う機械の止め方や、安全カバー・非常停止ボタンの場所を、まだ確かめていない人
  • ヒヤリとしたこと(はさまれそうになった・滑りそうになった)を、班長や上司にまだ伝えていない人
  • 重い物の運び方で腰を痛めそうだと感じていて、台車や2人での作業などを、まだ相談していない人

まず今の職場の安全の決まりと、危ないと感じたことを伝える相手を確かめ、伝えても変わらないかを見てから、ほかの工場と比べるほうが確実です。ケガをしたときは、仕事より先に医療機関にかかってください。

出典

  • 厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日)
  • 厚生労働省「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」別表2(業種別死傷災害発生状況)・別表4(業種、事故の型別死傷災害発生状況)・別表6(業種、発生月別死傷災害発生状況)・別表7(業種、被災者年齢別死傷災害発生状況)

この記事の数字は、Instagram(@genba.tenshoku)のリールでも短く紹介しています。

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