現場で働いていると、「建設業の死亡事故は1年に何人くらいなのか」「どんな事故が多いのか」が気になります。
ここでは、厚生労働省が2026年5月27日に公表した「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」から、建設業と製造業の数字を並べます。
この記事で分かること
- 2025年(令和7年)に仕事中の事故で亡くなった人は、建設業が214人、製造業が115人。全産業では700人で、建設業が約3割を占める
- 建設業の死亡者は、10年前(2016年・294人)より約27%少ない
- ケガ(休業4日以上)でいちばん多い事故は、建設業は墜落・転落、製造業ははさまれ・巻き込まれ
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2025年の死亡者数:建設業214人、製造業115人
| 業種 | 死亡者 2025年 | 死亡者 2024年 | 休業4日以上の死傷者 2025年 | 休業4日以上の死傷者 2024年 |
|---|---|---|---|---|
| 全産業 | 700人 | 746人 | 135,333人 | 135,718人 |
| 建設業 | 214人 | 232人 | 13,437人 | 13,849人 |
| 製造業 | 115人 | 142人 | 26,371人 | 26,676人 |
| 陸上貨物運送事業 | 80人 | 108人 | 15,632人 | 16,292人 |
出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」(2026年5月27日公表)。死傷者は、死亡と休業4日以上のケガ・病気の合計です
2025年に仕事中の事故などで亡くなった人は、全産業で700人でした。厚生労働省の発表では過去最少です。
そのうち建設業は214人で、全産業の約30.6%を占めます。製造業は115人(約16.4%)でした。
一方、休業4日以上のケガなどをした人(死傷者)は、製造業が26,371人で、建設業の13,437人の約2倍です。亡くなる人は建設業のほうが多く、ケガをする人は製造業のほうが多い、という違いがあります。
10年間の推移:建設業の死亡者は約27%減った
| 年 | 全産業 | 建設業 | 製造業 |
|---|---|---|---|
| 2016年(平成28年) | 928人 | 294人 | 177人 |
| 2017年(平成29年) | 978人 | 323人 | 160人 |
| 2018年(平成30年) | 909人 | 309人 | 183人 |
| 2019年(令和元年) | 845人 | 269人 | 141人 |
| 2020年(令和2年) | 784人 | 256人 | 134人 |
| 2021年(令和3年) | 778人 | 278人 | 131人 |
| 2022年(令和4年) | 774人 | 281人 | 140人 |
| 2023年(令和5年) | 755人 | 223人 | 138人 |
| 2024年(令和6年) | 746人 | 232人 | 142人 |
| 2025年(令和7年) | 700人 | 214人 | 115人 |
出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表1。2020〜2022年は新型コロナウイルス感染症によるものを除いた数字です
建設業の死亡者は、2017年の323人がこの10年でいちばん多く、2025年は214人でした。2016年の294人と比べると約27%少なくなっています。
ただし、毎年まっすぐ減っているわけではなく、2021年・2022年や2024年のように前の年より増えた年もあります。
ケガが多い事故の種類:建設業は墜落・転落、製造業ははさまれ
| 事故の種類 | 建設業 | 製造業 |
|---|---|---|
| 墜落・転落 | 4,343人(32.3%) | 2,917人(11.1%) |
| 転倒 | 1,579人(11.8%) | 5,732人(21.7%) |
| はさまれ・巻き込まれ | 1,496人(11.1%) | 5,992人(22.7%) |
| 飛来・落下 | 1,127人(8.4%) | 1,625人(6.2%) |
| 死傷者の合計 | 13,437人 | 26,371人 |
出典:厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表4(業種、事故の型別死傷災害発生状況)。割合は各業種の死傷者の合計に対する割合で計算しています
建設業では、休業4日以上のケガをした人の約3人に1人(32.3%)が墜落・転落でした。高い場所での作業が多い仕事であることが、数字にも出ています。
製造業では、はさまれ・巻き込まれ(22.7%)と転倒(21.7%)が多く、この2つで4割を超えます。機械に手や体をはさまれる事故と、床などで転ぶ事故です。
全産業の死亡者でも、いちばん多いのは墜落・転落の186人、次がはさまれ・巻き込まれの117人でした(厚生労働省の発表)。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年に仕事中の事故などで亡くなった人は、建設業214人・製造業115人。建設業は全産業の約3割
- 建設業の死亡者は10年前より約27%少ない
- ケガをする人は製造業のほうが多く、建設業の約2倍
- 多い事故の種類は、建設業が墜落・転落、製造業がはさまれ・巻き込まれと転倒
言えないこと
- 自分の会社や現場の危なさ。同じ業種でも、工事や作業の内容、会社の安全対策で大きく違います
- 働く人の数に対して、どの業種がいちばん危ないか。この記事の数字は人数で、働く人1,000人あたりの率ではありません
- 事故の原因がだれにあるか。この統計は事故の種類の数を数えたものです
よくある質問
Q. 建設業の死亡者数は増えている?推移は?
A. 長い目で見ると減っています。2016年は294人、2025年は214人で、約27%少なくなりました。ただし毎年減っているわけではなく、2021年・2022年・2024年は前の年より増えました(厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」)。
Q. 建設業の死亡率はどれくらい?
A. この記事の数字は亡くなった人の人数で、働く人1,000人あたりのような率ではありません。人数で見ると、2025年は全産業700人のうち建設業が214人で、約3割です。働く人の数に対してどの業種が危ないかは、この記事の数字からは言えません。
Q. 電気工事の死亡事故は年間何人?
A. この記事で使った厚生労働省の公表資料では、建設業はまとめて214人(2025年)と出ていて、電気工事だけの死亡者数は出ていません。建設業全体では、ケガ(休業4日以上)でいちばん多い事故は墜落・転落(32.3%)でした。
今の現場の安全が気になるときに
建設業の事故は減ってきていますが、今も全産業の死亡者の約3割を占めています。ただし、次のような人は、この数字だけで仕事を変えるかどうかを決めないほうが確実です。
- 今の現場でどんな安全対策があるか(足場・安全帯・朝礼での危険予知など)を、まだ確かめていない人
- 危ないと感じたことを、職長や元請の担当者にまだ相談していない人
- 建設業を離れれば安全になると考えている人(製造業では、はさまれ・転倒のケガが建設業より多く出ています)
まず今の現場の安全対策と、危ないと感じたことを伝えられる相手を確かめてから、ほかの職場と比べるほうが確実です。
出典
- 厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況を公表」(2026年5月27日)
- 厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況(確定値)」別表1(業種別死亡災害発生状況)・別表2(業種別死傷災害発生状況)・別表4(業種、事故の型別死傷災害発生状況)


