「人手不足の業界はどこなのか」「今いる製造業は、ほかの業界と比べて人が足りないのか」は、転職を考えるときに気になることの1つです。
ここでは、厚生労働省が2026年9月29日に公表した「労働経済動向調査(令和8年8月)」から、12の産業ごとに、正社員とパートの「人が足りない」と答えた事業所の多さを並べます。
この記事で分かること
- 2026年8月1日の時点で、正社員が「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」の割合を引いた値は、調査した産業全体で+47ポイント
- 正社員でいちばん不足しているのは運輸業・郵便業の61ポイント。次が建設業と学術研究・専門・技術サービス業の59。製造業は45
- パートではサービス業(他に分類されないもの)が42でいちばん高く、建設業は5、製造業は14と低い
「労働者過不足判断D.I.」の読み方
この調査では、事業所に「今、働く人は不足していますか、過剰ですか」と聞いています。その答えから、次のように計算した値を労働者過不足判断D.I.と呼びます。
| 計算のしかた | 読み方 |
|---|---|
| 「不足」と答えた事業所の割合 − 「過剰」と答えた事業所の割合 | プラスが大きいほど、人が足りないと感じている事業所が多い |
出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年8月)の結果」
たとえば+59ポイントは、「足りない」と答えた事業所が、「多すぎる」と答えた事業所より、59ポイント多いという意味です。何人足りないかを表す数字ではありません。
正社員の人手不足:運輸業61・建設業59ポイントが高い
| 産業 | 2026年8月 | 2026年5月 |
|---|---|---|
| 運輸業,郵便業 | 61 | 55 |
| 建設業 | 59 | 59 |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 59 | 54 |
| 医療,福祉 | 55 | 57 |
| 情報通信業 | 52 | 54 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 51 | 48 |
| 製造業 | 45 | 44 |
| 不動産業,物品賃貸業 | 42 | 36 |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 38 | 36 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 32 | 38 |
| 金融業,保険業 | 31 | 32 |
| 卸売業,小売業 | 26 | 31 |
| 調査産業計 | 47 | 47 |
出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年8月)の結果」表3(正社員等労働者過不足判断D.I.)。各月1日現在。単位はポイント。8月の値が大きい順に並べ替えています
正社員(正社員等)では、12の産業すべてがプラスで、どの産業でも「足りない」と答えた事業所のほうが多くなっています。
いちばん高いのは運輸業・郵便業の61ポイントで、建設業と学術研究・専門・技術サービス業(どちらも59)が続きます。厚生労働省の資料でも、運輸業・郵便業、建設業、学術研究・専門・技術サービス業などで人手不足感が高いとされています。
製造業は45ポイントで、調査産業計(47)より少し低くなっています。5月の調査(44)からは1ポイント上がりました。
5月から8月にかけては、運輸業・郵便業(55→61)、不動産業・物品賃貸業(36→42)、学術研究・専門・技術サービス業(54→59)などが上がり、宿泊業・飲食サービス業(38→32)、卸売業・小売業(31→26)などが下がっています。建設業は5月と同じ59でした。
パートの人手不足:建設業5・製造業14と低い
| 産業 | 2026年8月 |
|---|---|
| サービス業(他に分類されないもの) | 42 |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 34 |
| 卸売業,小売業 | 32 |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 32 |
| 医療,福祉 | 31 |
| 運輸業,郵便業 | 29 |
| 不動産業,物品賃貸業 | 24 |
| 製造業 | 14 |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 10 |
| 金融業,保険業 | 8 |
| 情報通信業 | 6 |
| 建設業 | 5 |
| 調査産業計 | 26 |
出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年8月)の結果」表4(パートタイム労働者過不足判断D.I.)。8月1日現在。単位はポイント。大きい順に並べ替えています
パートでは、サービス業(42)や宿泊業・飲食サービス業(34)が高く、建設業は5、製造業は14と、正社員と比べてずっと低くなっています。
同じ建設業でも、正社員は59、パートは5です。建設業や製造業で「人手不足」と言われるときは、主に正社員の話だと読み取れます。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2026年8月の時点で、正社員が足りないと感じている事業所は、12の産業すべてで多い
- 正社員の不足感がいちばん強いのは運輸業・郵便業(61ポイント)、次が建設業(59)。製造業(45)は全体(47)より少し低い
- 建設業と製造業では、パートの不足感は正社員よりずっと弱い
言えないこと
- 人手不足の業界ほど、給料や働く条件が良いかどうか。D.I.は「足りないと感じている事業所の多さ」で、給料は表していません
- 何人足りないか。D.I.は人数ではありません
- 職種ごとの不足。この記事の数字は産業ごとで、同じ産業の中でも職種によって違います
- 会社ごとの状況。同じ業種でも、人が足りている会社も足りない会社もあります
人手不足の業界に移るか考えるときに
正社員の人手不足は、どの産業でも続いています。ただし、次のような人は、この数字だけで移る業界を決めないほうが確実です。
- 人手不足の業界なら、給料や働く条件も良いと考えている人(D.I.は給料を表していません)
- 正社員とパートのどちらで働くかを、まだ決めていない人(建設業は正社員59・パート5と、大きく違います)
- 希望する職種の求人倍率を、まだ確かめていない人(同じ産業でも、職種によって人の足りなさは違います)
まず自分が働きたい職種と働き方(正社員かパートか)を決め、その職種の求人倍率や給料の数字を確かめてから、会社どうしを比べるほうが確実です。
出典
- 厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年8月)の結果」(2026年9月29日)
この記事の数字は、Instagram(@genba.tenshoku)のリールでも短く紹介しています。


