「うちの会社には労働組合がない」「組合があるのは大きな会社だけでは」と感じている人は多いと思います。建設業や製造業では、どれくらいの人が労働組合に入っているのでしょうか。
ここでは、厚生労働省の「令和7年労働組合基礎調査」(2025年6月30日時点、2025年12月公表)から、全体の組織率と、建設業・製造業の数字を並べます。
この記事で分かること
- 働く人(雇用者)のうち労働組合に入っている人の割合(推定組織率)は16.0%。前の年より0.1ポイント下がった
- 産業別では、製造業が26.4%、建設業が20.2%で、どちらも全体より高い
- 会社の規模で大きく違い、1,000人以上の企業では38.7%。それより小さい規模では10%を下回る
全体:推定組織率は16.0%
| 項目 | 2025年6月30日時点 | 前の年との差 |
|---|---|---|
| 労働組合の数 | 22,244組合 | 268組合減(1.2%減) |
| 労働組合員の数 | 992万7千人 | 1万5千人増(0.2%増) |
| 推定組織率 | 16.0% | 0.1ポイント低下 |
出典:厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」(2025年12月公表)。単一労働組合の数字です
推定組織率は、雇用者(会社などに雇われて働く人)のうち、労働組合に入っている人の割合です。
2025年は16.0%でした。組合員の数は前の年より1万5千人増えましたが、雇われて働く人の数も増えたため、割合は下がっています。労働政策研究・研修機構は、この結果を「4年続けて過去最低水準」と伝えています。
5年間の推移:少しずつ下がり続けている
| 年 | 推定組織率 |
|---|---|
| 2021年 | 16.9% |
| 2022年 | 16.5% |
| 2023年 | 16.3% |
| 2024年 | 16.1% |
| 2025年 | 16.0% |
出典:厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」
この5年で、組織率は0.9ポイント下がりました。働く人の約6人に1人が労働組合に入っている、という数字です。
産業別:製造業26.4%、建設業20.2%
| 産業 | 組合員の数 | 推定組織率(2025年) | 前の年 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 261万4千人 | 26.4% | 25.7% |
| 建設業 | 83万5千人 | 20.2% | 21.3% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | ― | 49.0% | ― |
| 金融業、保険業 | ― | 46.4% | ― |
| 公務 | ― | 28.1% | ― |
| 運輸業、郵便業 | ― | 24.0% | ― |
| 卸売業、小売業 | ― | 16.4% | ― |
| 情報通信業 | ― | 11.5% | ― |
| 宿泊業、飲食サービス業 | ― | 11.0% | ― |
| 医療、福祉 | ― | 5.3% | ― |
出典:厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」産業別の状況。産業別の数字は単位労働組合で集計していて、全体の16.0%とは集計のしかたが違います。この記事では主な産業だけを載せています
製造業の組合員は261万4千人で、産業別でいちばん多く、組織率は26.4%です。前の年(25.7%)より上がりました。
建設業は83万5千人で、組織率は20.2%です。組合員の数は前の年(83万9千人)とほぼ同じですが、組織率は21.3%から1.1ポイント下がりました。
どちらも全体の16.0%より高い一方で、建設業でも製造業でも、7割以上の人は労働組合に入っていないことになります。
会社の規模別:大きな会社ほど高い
民間企業の規模別に見ると、組織率は大きく違います。
| 企業の規模 | 推定組織率(2025年) |
|---|---|
| 1,000人以上 | 38.7% |
| それより小さい規模 | 10%未満 |
出典:厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」企業規模別(民営企業)の状況
1,000人以上の企業では約4割が組合に入っていますが、規模が小さくなると10%を下回ります。民間企業の組合員の約7割(68.3%)は1,000人以上の企業の人です。
建設業や製造業には中小の会社が多いので、「自分の会社に労働組合がない」というのは、珍しいことではありません。
この数字から言えること・言えないこと
言えること
- 2025年の推定組織率は16.0%で、5年続けて下がっている
- 製造業は26.4%、建設業は20.2%で、どちらも全体より高い
- 1,000人以上の企業の組織率は38.7%で、小さな会社では10%を下回る
言えないこと
- 自分の会社に労働組合があるかどうか。この数字は産業や規模全体の割合です
- 労働組合がある会社のほうが、給料や働く条件が良いかどうか。この調査は組合員の数を数えたもので、条件は比べていません
- 組織率が下がった理由。調査は人数と割合を示しているだけです
労働組合がない会社で働いていると考えるときに
建設業も製造業も、大半の人は労働組合に入っていません。ただし、次のような人は、この数字だけで会社を変えるかどうかを決めないほうが確実です。
- 残業代や休みなど、困っていることを、まだ誰にも相談していない人(組合がなくても、労働基準監督署や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます)
- 自分の会社の就業規則や労働条件通知書を、まだ見たことがない人
- 労働組合がある会社なら、条件が必ず良いと考えている人(組織率の数字は、条件の良し悪しを示していません)
まず自分の労働条件を書面で確かめ、困っていることを相談窓口に相談してから、ほかの会社と比べるほうが確実です。
出典
- 厚生労働省「令和7年労働組合基礎調査の概況」(2025年12月公表):労働組合及び労働組合員の状況、産業別の状況、企業規模別(民営企業)の状況
- 労働政策研究・研修機構「ビジネス・レーバー・トレンド」2026年3月号 国内労働情報(労働組合基礎調査の結果)


