設計労務単価と手取りの違いは?単価25,834円は日当より広い金額、会社が負担する経費を足すと38,234円【2026年2月公表】

設計労務単価と手取りの違いは?単価25,834円・会社の経費込み38,234円 建設業

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「設計労務単価が2万5千円を超えた」と聞いても、「自分の日当はそんなにもらっていない」「手取りとは全然違う」と感じる職人さんは多いと思います。このサイトと同じ名前のYouTubeチャンネルで出した職人単価の動画にも、「職人が実際に受け取る金額とは違うのでは」という声を複数いただきました。

ここでは、国土交通省が2026年2月17日に発表した「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」の資料だけを使って、設計労務単価に何が入っていて、何が入っていないのか、日当や手取りとどう違うのかを確かめます。誰かが多く取っている、といった決めつけはせず、資料に書かれていることだけを並べます。

この記事で分かること

  • 設計労務単価(令和8年3月から・全職種の加重平均25,834円)は、基本給・手当・賞与の日割り・食事などを1日(8時間)あたりにした金額で、国土交通省の資料では「日給制の労働者が受け取る日当よりも広い概念」とされている
  • 単価の中には、働く人本人が負担する社会保険料(約16%)も入っている。そのため、手取りは単価より少なくなる
  • 会社が負担する社会保険料や安全管理費などは単価に入っていない。それを足した金額は38,234円(単価の148%)で、国土交通省は「下請代金からこの分を値引くことは不当行為」としている

設計労務単価に入っているもの・入っていないもの

単価に入っているもの単価に入っていないもの
基本給にあたる分残業・休日・深夜の割増賃金
基準内の手当(その職種のふつうの作業条件・作業内容に対する手当)ふつうの作業条件・作業内容をこえる仕事に対する手当
臨時の給与(賞与など)会社が負担する社会保険料(法定福利費の事業主負担分)・研修の費用など
実物給与(食事の支給など)会社の一般管理費などの諸経費

出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(2026年2月17日)

設計労務単価は、国や自治体が公共工事の予定価格を計算するときに使う、所定労働時間内8時間あたりの単価です。国土交通省の資料では、単価は「基本給相当額+基準内手当+臨時の給与+実物給与」の4つでできていると説明されています。

ポイントは、賞与(ボーナス)なども1日あたりに直して入っていることです。毎日の日当だけを単価と比べると、単価のほうが高く見えます。反対に、残業や休日出勤の割増分は入っていないので、残業が多い人は、日によっては単価より多く受け取っていることもありえます。

また、交通誘導警備員や普通作業員の単価には、警備会社や建設会社に必要な諸経費は入っていない、と資料にはっきり書かれています。

手取りが単価より少なくなる理由:本人の社会保険料も単価の中にある

区分金額(全職種の加重平均)単価との比
設計労務単価(働く人が受け取るべき賃金)25,834円100%
└ うち本人が負担する社会保険料(法定福利費の個人負担分)―約16%
会社が負担する社会保険料・労務管理費など7,492円29%
現場作業にかかる経費(安全管理費など)4,909円19%
必要経費の合計12,400円48%
会社が働く人1人に払う費用の合計38,234円148%

出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」の「『公共工事設計労務単価』と『雇用に伴う必要経費』の関係」(イメージ図)。7,492円と4,909円の合計は12,401円で、資料の12,400円とは四捨五入のため1円違います

国土交通省の説明図では、設計労務単価は「労働者本人が受け取るべき賃金」にあたり、その中に本人が負担する社会保険料(約16%)が入っています。給料から天引きされる健康保険・厚生年金・雇用保険などの分です。単純に掛けると、25,834円の約16%は約4,100円です。

さらに、手取りは所得税・住民税も引いた後の金額です。そのため、同じ水準の賃金を受け取っていても、手取りは単価よりかなり少なく見えます。「単価と手取りが合わない」のは、この点だけでも起こります。

一方で、会社の側には、単価とは別に、会社が負担する社会保険料・労務管理費・安全管理費・宿舎費などがかかります。国土交通省は、単価25,834円の場合、会社が働く人1人の雇用に必要な費用は38,234円(148%)になることに注意が必要、としています。

単価はどうやって決まる?実際に払われた賃金の調査から

項目内容
調査の名前公共事業労務費調査(農林水産省・国土交通省)
調べた工事令和7年10月に施工中の、1件1,000万円以上の公共工事から無作為に選んだ10,031件
調べた人その工事で働く51職種の建設技能者 85,670人
調べ方元請会社・協力会社が、賃金台帳から調査票に書き写す
単価の出し方所定労働時間内8時間あたりに直し、都道府県別・職種別に集計

出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」

設計労務単価は、国が決めた「目標の金額」ではなく、公共工事で働いた人に実際に払われた賃金を、賃金台帳から調べて決めた金額です。賞与なども含めて1日8時間あたりに直しているので、毎日の日当とは形が違います。

ただし、調べているのは公共工事(1件1,000万円以上)の現場で働く人です。民間の工事だけをしている会社や、小さな工事の現場の賃金が、同じ水準だとは限りません。

下請や民間の工事との関係

国土交通省の資料では、次の2つが書かれています。

  • 設計労務単価には、会社が負担すべき必要経費は入っていない。よって、下請代金に必要経費分を計上しない、または下請代金から値引くことは不当行為
  • 建設業法にもとづく「労務費に関する基準」で、設計労務単価は、すべての建設工事の請負契約で確保されるべき「適正な労務費」の計算の基礎となる水準にも位置づけられている。公共工事・民間工事を問わず、下請取引を含めて、この適正な労務費が確保されるべき

つまり、単価は公共工事の計算のためだけの数字ではなく、民間の工事や下請の取引でも、労務費の目安になる水準として扱われています。ただし、資料にあるのは「確保されるべき」という考え方で、自分の会社が実際にいくら払っているか、途中の取引でいくら引かれているかは、この資料からは分かりません。

この「労務費に関する基準」は、改正建設業法が2025年(令和7年)12月12日に完全施行されたのにあわせて、中央建設業審議会が勧告したものです。適正な労務費の目安は「公共工事設計労務単価 × 歩掛(作業量あたりの人数) × 数量」で計算し、単価は工事をする都道府県の設計労務単価を下回らないようにするとされています。あわせて、労務費が著しく低い見積りを出すこと、注文する側が著しく低い額に下げるよう求めること、原価を割る契約を結ぶことは、建設業法で禁止されました(第19条の3・第20条)。

ただし、この基準も、会社が職人さん一人ひとりに払う賃金の額まで決めるものではありません。国の資料でも、設計労務単価は個々の契約を拘束するものではないとされ、CCUSのレベル別年収も目安で、支払いの義務ではありません。

出典:国土交通省「改正建設業法の完全施行について」(令和7年11月14日)、国土交通省「労務費に関する基準」(令和7年12月 中央建設業審議会勧告)、関東地方整備局「改正建設業法について」(令和8年2月)、建設業法 第19条の3・第20条

この数字から言えること・言えないこと

言えること

  • 設計労務単価(全職種の加重平均25,834円)は、賞与の日割りや本人負担の社会保険料も入った金額で、毎日の日当や手取りとは別のもの
  • 会社が負担する社会保険料や安全管理費などは単価に入っておらず、足すと38,234円(148%)になる
  • 単価は、公共工事で実際に払われた賃金を賃金台帳から調べて決めている

言えないこと

  • 自分の手取りがいくらになるはずか。社会保険料・税金は人によって違い、単価から手取りを計算する方法は資料に書かれていません
  • 下請の取引の途中で、どこでいくら引かれているか。この資料は単価の決め方と考え方の説明で、取引ごとの金額は調べていません
  • 民間の工事や小さな工事の現場の賃金。調査の対象は1件1,000万円以上の公共工事です

職種ごと・都道府県ごとの単価は設計労務単価 令和8年度はいくら?全職種25,834円で14年連続上昇に、建設業で働く人のボーナス込みの給料は建設業の給料はボーナス込みでいくら?に、CCUSのレベル別の年収の目安はCCUSのレベル別年収は?に、一人親方の労災保険は一人親方の労災保険はいくら?にまとめています。

設計労務単価やCCUSのレベル別年収の数字は、YouTubeのショート動画でも並べています:職人の単価・年収の数字(設計労務単価・CCUS)の再生リスト

自分の日当と単価を比べるときに

設計労務単価は、日当とは形の違う金額です。ただし、次のような人は、単価と日当を並べただけで「少ない」「多い」を決めないほうが確実です。

  • 賞与や手当を1日あたりに直して、日当に足したことがない人(単価には賞与なども入っています)
  • 給与明細の「総支給額」ではなく、手取りの金額で比べている人(単価には本人が負担する社会保険料も入っています)
  • 自分の県・自分の職種の単価を、まだ確かめていない人(単価は都道府県・職種で違います)

まず1年分の総支給額(賞与・手当込み、残業代は除く)を働いた日数で割って1日あたりを出し、自分の県・職種の単価と比べてから、ほかの会社の条件と比べるほうが確実です。

職人の経験をいかして、施工管理の仕事も考えてみたいときは

設計労務単価の資料で分かるのは、単価の中身と決め方までです。自分の経験でどんな働き方ができるかは、この資料からは分かりません。職人や現場作業員の経験がある人を対象に、施工管理への転職を無料で相談できるサービスがあります。

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次のような人には向きません。

  • 40歳以上の方(申し込みの対象外です)
  • 職人・現場作業員として働いた経験がない人(経験者を対象にしたサービスです)
  • 今の職種のまま、職人として働き続けたい人(施工管理への転職を考える人向けのサービスです)
  • 今の会社の賃金や下請代金が適正かどうかを相談したい人(転職の相談のサービスです)

出典

  • 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について〜今回の引き上げにより、14年連続の上昇〜」(2026年2月17日)報道発表資料・参考公表「建設労働者の雇用に伴い必要な経費の表示」・「『公共工事設計労務単価』と『雇用に伴う必要経費』の関係」

この記事の数字は、Instagram(@genba.tenshoku)のリールでも短く紹介しています。

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